学習指導要領の改訂により,6年では「憲法・政治」の学習が1学期になりました。少しでも政治を身近に感じ,興味をもって学ぶためには,子どもたちと関わりのあるできごとや関心の高いできごとを扱うことが効果的です。そういった教材を見つけ出すことは容易ではありませんが,意外とすぐ近くにあることも多いです。まずは,教師が関心をもつことが大切です。今後もアンテナを張り巡らせながら,子どもたちと一緒に「?(はてな)」を見つけ,授業をつくっていきます。子どもとともに学ぶ楽しさを 待機児童の解消に向けた,国や地方公共団体,区議会などの取り組みについて調べてきたことを,関係図にまとめました。それぞれの立場の取り組みが最終的に「区民(私たち)」に集まり,自分たちの生活を豊かにしていることがわかります。 学習の最後に,社会科の枠を超えて,実社会で課I児のノート参照 ここまで「学童待機児童の問題」に着目し,学んできました。しかし,その問題の解決を願う当事者は,区の人口の1%ほどです。立場や年齢が変われば願いも変わります。そこで,多種多様な「残りの99%」の願いを実現していくために必要なことは何か,という問いについて考え,協働的に学ぶ場を設けました。 まず,自分なりに考えをまとめます。次に,少人数で距離を保ちながら交流し,自分の考えにつけたしていきます。最後に,学級全体で考えを広げたり深めたりします。全体で話し合うと「よりよい社会のあり方」について以下の意見が出されました。 個人で考えていた時と比べ,政治の進め方や参画意識を高める必要性についての意見が多く出されました。また,自分のことだけではなく,みんなが幸せになる社会にしていくことが大切であると考えていました。【子どもたちの意見】・自分たちの町でできたことを他の町でも実現し, より多くの願いをかなえていく。・願いの重要度によって,優先順位をつける。・政治を進める人(議員など)へ,自分たちの願い を伝える,自分から発信する。・今よりも国民が政治に参加していく。問いを検討する協働的な学び~多様な願いを実現するには…?~社会に参画する場の設定~自分たちの考えを提案!~題に取り組む人たちと関わる時間を設けました。子どもたちから「自分たちから伝える,発信する」「今よりも政治に参加していく」などの意見が出されたことを受けて,実際に区役所や児童館の方をお招きして,自分たちの考えを提案しました。子どもたちは「現在の学童の取り組みの改善策」「中学生の放課後の居場所づくり」の2点をテーマに,様々な意見を交わしながら学び合いました。その結果,などの意見が出されました。ゲストティーチャーの方にも話し合うなかで参加していただき,最後には意見も述べていただきました。社会科は人と直接つながることができる教科です。その方々とつながることで,子どもたちは,これまでの学習を「自分のこと」として捉えられるようになりました。【学童】・仕組み(遊び方,場所・時間の使い方)の改善・コロナ禍でもできる企画の提案【中学生の居場所づくり】・中学生が学べる,交流できる場の確保(カフェ)13現代的な教育課題とこれからの授業デザインー教科の視点 社会特集
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