学習指導要領においては,「社会に開かれた教育課程」という理念が示されており,キャリア教育の推進が,その理念を具現化するためにも必要であると捉えています。相模原市でも,「さがそうみらいプロジェクト」の名のもと,令和2年度からキャリア教育の推進を行っています。 学校では,キャリア教育を行っていくことは,「大変そう」「特別なことをしなければならない」というイメージが大きく,担任一人ひとりの負担ばかりが増えるものと考えていました。 しかしながら,文部科学省「小学校・中学校・高等学校 キャリア教育推進の手引き」を読み解くなかで,小学校低学年のキャリア発達の特徴は,生活科において育成すべき資質・能力と大きく関連することから,生活科の学習でキャリア教育を意図的に行っていくことで,本市のめざす子どもの姿を達成できると感じました。 そこで,子どもたちが普段の授業の中で,「学ぶ意義」を感じることと,「自己有用感」を高めることができるよう,従前の生活科をキャリア教育の視点からリデザインすることにしました。 子どもたちが,「学ぶ意義」を感じ,「自己有用感」を高めていくために,次の「4つのつながり」を意識しながら,単元をリデザインしました。生活科の授業をリデザインするためのキャリア教育の視点生活教科の視点キャリア教育の視点から行う生活科授業のリデザイン相模原市立二本松小学校教諭 岡おか部べ 久く美み子こ 1年生の2学期に行う「たのしい あき いっぱい」の単元においては,「4つのつながり」の❶❷を意識して,リデザインを行いました。(1)国語,図工との関連で生まれる❶「学びのつながり」 本単元を中心として,他教科(国語・図工)を関連づけた学習計画を立てました。実践1「あきのおもちゃ作りを通して育む『つながり』」『さがそうみらいプロジェクトガイド』相模原市教育委員会 令和2年4月はじめにキャリア教育の視点「4つのつながり」❶「学びのつながり」 子どもが,学んだことを別の単元や他教科の学習場面で生かすことができたときに,学ぶ意義を感じることができる。❷「日常生活とのつながり」 子どもが,今行っている学習を日常生活で生かせたり,身近な生活に関わる見方・考え方を生かして学習課題が達成できたりしたときに,子どもは学ぶ意義を感じることができる。❸「縦のつながり」 子どもが,就学前から小学校とのつながりを感じることができたときに,安心感が生まれ,自己有用感が高まる。❹「人間関係のつながり」 子どもが,他者と関わることを通して,学びが深まったり,認められたと感じられたりしたときに,自己有用感が増す。絵や立体,工作に表す活動を通して,身近で扱いやすい材料や用具に十分に慣れるとともに,手や体全体の感覚などをはたらかせ,表したいことをもとに表し方を工夫して表すこと。(A表現(2)イ)経験したことから書くことを見つけ,必要な事柄を見つけたり,確かめたりして,伝えたいことを明確にすること。(思B(1)ア)用具の安全な使い方経験したことを書く活動「たのしい あきいっぱい」おもちゃづくり生活科国語図工18現代的な教育課題とこれからの授業デザインー教科の視点 生活特集
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