教育情報誌 学びのチカラ e-na!! vol.1 (小学校版)
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(2)お手本を提示しないことにより生まれる❷「日常生活とのつながり」 活動を通して,気づきが得られるようなおもちゃを精選し,クラス一斉に同じおもちゃを制作するようにしました。 さらに,導入で提示するのは,おもちゃの名前と,簡単な仕組みのみで,作り方や選ぶ材料なども具体的な提示は行いません。それにより,身近な生活に関わる見方・考え方を生かした,さまざまな発想や気づきが生まれるのではないかと考えたからです。 おもちゃ作りの過程では,「やじろべえは,シーソーの仕組みと同じかもしれない」など,生活のさまざまな場面からヒントを得て,制作に生かし,「自分の考えでおもちゃが進化できた。」と楽しんで学習していました。国語の学習活動では,試行錯誤を通して得た気づきが,伝えたいという意欲を高めていました。このような姿から,「学びのつながり」と「日常生活とのつながり」を意識して単元のリデザインをしたことによって,子どもが「学ぶ意義」を感じたことがわかりました。 1年生の3学期に行う,新1年生を小学校に招待する単元においては,「4つのつながり」の❸❹を意識して,リデザインを行いました。(1)小学校を意識して行う❸「縦のつながり」 定期的に行う,幼・保・小連携のための地区代表者会の中で,幼・保の先生がたは,小学校入学のためにさまざまな取り組みをしている一方で,小学校について知らないこともあることがわかりました。そこで,3学期の単元を2学期にも分割し,新しい取り組みを盛り込んだ学習計画を立てました。(2)入学後も続く❹「人間関係のつながり」 入学後も,生活科1年生,2年生の単元において,作ったおもちゃや昔から伝わる遊びを楽しむための交流を意図的に行いました。 小学校とのつながりを感じられることや,入学してからも交流を継続的に行うことで,「来年,楽しみだな。」「あんな2年生になりたい。」と,1年後実践2「幼稚園・保育園から育む『つながり』」 キャリア教育を行うにあたり,生活科授業をリデザインするという目線で取り組みました。その中で,教師がいかに意図的に,教育活動の場面を線で結び,子どもの将来につなげていく「しかけ」ができるかが重要であることがわかりました。そして,日々の教育活動の中でキャリア教育を行っていくには「今の学びにどんな意味があり,子どもたちにどんな力をつけ,その力が将来にどう生きるのか」を教師が常に自問自答しながら実践していくことが必要なことがわかりました。おわりにの自分と重ね合わせて考える姿がありました。児童自らが,近い将来への見通しをもち,意欲を高めている言葉を発信することが増えたと感じます。そして,上の学年にとっての交流は,「すごいと言われて,うれしい。」「1年生が喜んでくれたから,うれしい。」と,自分が認められる場となっていると感じました。このような姿から,「縦のつながり」と「人間関係のつながり」を意識して単元のリデザインをしたことによって,子どもが「自己有用感」を高めることができたことがわかりました。単発的・一方通行的な交流2学期・学校ポストによる交流・校庭での遊び3学期 ・交流を生かしたDVD作成・オンライン交流   入学後も続く異学年交流職員間での密な情報交換3学期・学校紹介DVD 作成継続的・双方向的な交流※コロナによる活動 制限あり従前リデザイン後年長1年2年交流を通してめざす姿安心感・将来の自分への見通し自信・自己有用感の高まり19現代的な教育課題とこれからの授業デザインー教科の視点 生活特集

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