教育情報誌 学びのチカラ e-na!! vol.3 (小学校版)
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共育のツボ 本来、子どもは有能な学び手であり、誰もが得意なことやよさを持ち合わせています。言葉でのやりとりが得意、作戦や計画を立てることが得意、絵を描くことが得意、自然と触れ合うことが好き、運動や音楽が好き、友達のことを大切にするなど、一人一人が才能を発揮できる教室環境にしたいものです。 しかし、多くの教師にとっては、『個に応じた学び』や『学び合い』を取り入れることに勇気がいるのではないでしょうか。低学年の場合は、特にそうかもしれません。『個に応じた学び』では、子どもが、何をしたらいいかわからず呆然としている、友達が気になり作業が進まない、集中力が続かない…。また『学び合い』では、うまく教えられない、自分のことを終わらせていない、大声で迷惑をかけてしまう…。さまざまな心配が浮かびます。騒々しくなると、教師は焦ってしまいそうですが、そんな中でも、集中している子、困っている友達を助けている子、課題を仕上げた子は、必ずいます。その子たちをしっかりと見取ることが大切です。  教師は我慢し、黙って見守ります。最後に、本時の活動を振り返り、改善点を出し合います。「まずは自分のことを終わらせる」「わからないときは、友達と一緒にやる」「遊んでしまうときは、自分が友達から今号からスタートする新企画!全国各地の先生方のアイデアを詰め込んだ「共育のツボ」。 「ともにはぐくむ」をテーマに、子どもたちとの関わり方や学級経営の工夫、先生ならではのお悩みとその解決法など、日々奮闘する先生方の情報共有の場となるようなページをお届けします。離れる」など。ここで、先ほどのよかった子をほめ、価値付けます。 活動後、子どもたちに問いかけてみてください。「みんなが一斉に同じことをやるのと、みんなで助け合って得意なことや好きなことを生かしてやるのと、どちらがいい?」と。子どもたちは、後者を選ぶことでしょう。「それならやり方をよりよくしていこう」と、次につなげます。忍耐が必要です。学校法人星美学園 静岡サレジオ中・高等学校教員を経て、東京都の小学校教員となり、生活科・総合的な学習の授業研究に取り組む。 〇〇さんのアサガオがよく描けていましたよ。どうやって描くか聞いてみましょう。参考文献:「マルチプル・インテリジェンスに学ぶ 見つけよう、引き出そう1人ひとりの子の才能」ヒュバート・ウィンタース著 リヒテルズ直子訳(ほんの木)はしもとやすこ32子どもはわくわくすることを求めています。本来もっている子どもの力を引き出し伸ばす、そんな教師でありたいですね。「一人一人の才能が輝く教室」を目ざした学級経営橋本 靖子東京都■飾区立柴原小学校主幹教諭東京都教職員研修センター講師(学級経営)

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