「子どもが主役」の授業デザイン 2教科の視点 国語の視点教科ー6特集 今号のテーマでもある「子どもが主役」になるということは、学習を「自分ごと」として受け止め、見通しをもち、必要な能力を獲得することであると捉えています。ここでは、『ひろがる言葉 小学国語 六上』のパネルディスカッションの単元で行った授業を紹介します。 本単元での評価は以下のように設定しました。【知識・技能】情報と情報との関係付けの仕方、図などによる語句と語句との関係の表し方を理解し使っている。【思考・判断・表現】「話すこと・聞くこと」において、互いの立場や意図を明確にしながら計画的に話し合い、考えを広げたりまとめたりしている。 さらに、教科書の「ここが大事」には次のような記載がありました。立場を決めて話し合う・目的に合わせて資料を示すなど、自分の考えが伝わ これを受けて、(1)立場を明確にして話し合うことと、(2)自分の考えを伝えるために、目的に合わせた効果的な資料を用意することがパネルディスカッションの授業を行ううえで大切だと捉えました。 そこで、学習者が主体的に取り組めるようなテーマを設定し、立場を明確にすることで、学習者が授業の見通しをもって取り組むことができるのではないかと考えました。 また効果的な資料を用意するために、一人一台支給されているタブレット端末を活用することで、学習者が自分の立場を明確に示すための資料を作成することができるのではないかとも考えました。 これらを踏まえ、学習者と話し合いながら学習の流れを設定していきました。~単元の学習の流れ~❶パネルディスカッションについて知る❷パネルディスカッションにおける主張を決める❸パネルディスカッションに向けた準備をする❹パネルディスカッションをする 以下、立場を明確にして話し合うために行った授業の実際と、学習者がタブレットを活用し、パネルディスカッションに向けて準備をした活動について記していきます。 今回、より学習者が「討論をしたい!」と思えるようなテーマを考えたところ、学習者から「自分たちが通っている中尾小学校をテーマにしたい」という考えが出てきました。そこで単元名を「More change 中尾小」とし、学校をよりよく変えていくためには、どんな取り組みが必要かを考えていくことにしました。 学習者は4月に「図に表して考えよう」の学習で、考えや意見をまとめる方法として、さまざまな思考ツールを学習しました。それを踏まえ、右のようなピラミッドチャートを活用し、考えを明確にし、どんな資料を用意すれば自分の考えをより相手にわかりやすく伝えることができるかを考えていきました。 右に提示した学習者は、学校をよりよくするために、「そうじ中のむだなおしゃべりをなくす」という主張を考えました。それを主張するために、委員会で実施した「もくもくそうじ(〔思考力、判断力、表現力等〕Aオ)るように表現を工夫して話す。・たがいの立場をはっきりさせながら、計画的に話し合う。・たがいの意見を比べたり関連づけたりしながら聞き合い、考えを広げたりまとめたりする。(〔知識及び技能〕(2)イ)「子どもが主役」になるとはパネルディスカッションの授業をどう組み立てるか(1)立場を明確にして話し合うために「自分ごと」として受け止める国語の授業づくりを目ざして埼玉県さいたま市立中尾小学校教諭 泉いずみ 正まさ人と 国語
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