「子どもが主役」の授業デザイン 2教科の視点 国語ー7特集PowerPointの活用キャンペーン」で集計したチェックカードや、委員会の担当の先生へのインタビューなどを資料として用意しようと考えていることがわかります。 本単元では、主体的に学習に取り組む態度の評価を以下のように設定しました。【主体的に学習に取り組む態度】話し合いに向けて粘り強く活動に取り組み、学習の見通しをもち、自分の考えが伝わるように資料を作成したり、討論の練習に取り組んだりしている。 自分の主張が決まったら、次にピラミッドチャートの一番下に書いた資料を準備しました。この準備時間は3時間設け、右のようなチェックシートを用意しました。 学習者は自己の学習を調整し、その時間に何の学習をするかを選択することで、パネルディスカッションに向けてよりよい準備時間にすることができていました。 次に、この3時間の準備時間に学習者がタブレット端末を活用し、どのような活動を行ったかについて記していきます。 まず、共同編集作業により複数人の学習者が1つのファイルに同時にアクセスし、作業を行える「Microsoft PowerPoint」を中心に発表資料を作成しました。同じテーマで主張をする学習者どうしが集まり共同で資料作成などを行うことで、効率よく資料を作成することができていました。また、これとは別に、ベネッセの「ミライシード」の「オクリンク」の機能を活用し、発表資料を作成している学習者もいました。共同編集を行う中で、的確な資料を作成しようと数人で意見を交流したり、効果的な図やグラフなどの資料を作成したりしていました。共同編集作業の様子インタビューの様子動画を確認する学習者 授業者は、これらのタブレット端末を使った学習の様子や、第1発言の練習を行う学習者の姿を、机間指導や学習計画表の振り返りから見取り、評価をすることができました。活動を選択し粘り強く活動に取り組む様子は、自己の学びを調整している姿が見られ、多くの学習者が主体的に活動しているのがわかりました。 本実践では、自己の学びを調整する場を設けたとともに、パネルディスカッションに向けた準備を通して「自分が通う学校をよりよくするためには何が必要か」ということについて考えを深めたり広げたりすることができたと考えています。「自分ごと」として受け止められる授業を展開するために、日々の教材研究や学習者の実態把握が重要になります。それを今後も意識し、学習者が「やってみたい!」「楽しい!」と思える国語授業を目ざしていきたいです。 また、タブレットの動画撮影機能を活用し、先生方へのインタビューを行っている学習者もいました。休み時間などに意欲的に先生方のところへ出向き、自分が思う学校の課題に対して、意見をもらっている様子が見られました。 さらに学習者は、資料の作成が終わったあと友だちと声をかけ合い、タブレットを活用し自分が発表している様子を動画で撮影していました。撮影した動画を何度も見直し、ピラミッドチャートを修正したり、それをもとに作成した第1発言の原稿を書き直したり、資料を提示するタイミングを練習したりしていました。何度も練習し、より相手に伝わるように考えている学習者の様子から、学びを自己調整し、よりよい第1発言を目ざしている姿が見られたと考えています。動画を確認する様子第1発言を練習する様子(2)タブレットを活用し、 討論に向け準備をする
元のページ ../index.html#7