教育情報誌 学びのチカラ e-na!! vol.4 (小学校版)
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未来を拓く授業デザイン〜学びに向かう力を身につける〜教科の視点社会ー 特集の視点教科個別最適な学び協働的な学びICT活用①金閣・銀閣を比べ、気づいたことを話し合い、学習問題を立てよう。室町時代には、どのような文化が生まれたのだろう。②学習問題について予想し、調べる計画を立てよう。③水墨画について調べよう。④⑤室町文化にはどのようなものがあるのか調べよう。⑥室町文化について調べたことを交流しよう。⑦室町時代の人々はどのような生活をしていたかについて調べよう。⑧どうして室町文化が今につながっているか考えよう。⑨室町文化の「My文化帳」をまとめよう。 これからの未来の創り手である子どもたち自身が、まさに授業の主役(主体的存在者)となる必要があると考えます。その際、主役の子どもたちが獲得した知識・技能をもとにして、思考・判断・表現を繰り返しながら、「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善が求められています。そして、それを実現するキーとなるものが、「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実」と捉えています。今回は、「個別最適・協働的な学び」と「ICT活用」を中心にした授業実践をご紹介します。 6年生の歴史学習は、「人物学習」を基軸とし、その人物の多くが為政者といえます。文化は為政者の統治によって生み出されるものばかりではなく、人々の生活や地域の風習などからも生み出され、現代に続いているものです。また、文化は子どもたちにとっても生活に根づく身近なものでもあります。そんな文化から歴史を見ることで子どもたちが主体的に学び、より多角的に社会的事象を見つめることができるでしょう。そこで、今回は「人物学習」を基軸としつつ、「帯」学習として文化を位置づけ、授業を行いました。 今回は、教科書単元『室町文化と力をつける人々』の実践をご紹介します。単元の流れは次のとおりです。10人物文化段階問題をつかむ予想を立てる調べ方を決める調べたしかめるみんなで話し合うひろげ深める一人で資料をもとに考えて自分たちでグループ化して活動はじめに歴史学習における文化学習授業実践事例『室町文化と力をつける人々』(1)個別最適・協働的な学び 個別最適な学びの充実にあたって、教師が指導の個別化を保障していくこと、そして、個々の子どもたちの学習も個性化を保障していくことが重要です。今回は、子どもたちがそれぞれに興味・関心のある文化を選択し、調べ学習を行う時間を設定しました。その際には、一人で調べて追究するのか、同じ文化について調べている友達と一緒に追究するのかを選択できるようにしました。また、情報収集についても教科書や資料集、インターネットなど自分に合った方法で調べていくことで、自らの学習を調整しながら粘り強く、主体的に学んでいく子どもたちの姿が見られました。歴史学習子どもが主役の歴史(文化)学習を求めて~個別最適・協働的な学びとICT活用を中心として~徳島県徳島市千松小学校教諭 小こ島じま 美み咲さき社会

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