教育情報誌 学びのチカラ e-na!! vol.5 (小学校版)
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❶電磁石は、どのようなときに、❷電磁石には、極があるのだろうか。❸回路に流す電流の向きを変えると、電磁石は、❷電流を大きくすると電磁石のはたらきは、特集の視点教科輝いて生きるための自分デザイン教科の視点理科ー  学習指導要領(平成29年告示)では、「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)」の視点からの授業改善を重要視しています。 このような授業の構築には、個別最適な学びと協働的な学びの実施は、不可欠だと思います。今回は、この個別最適な学びと協働的な学びを組み入れた授業実践を紹介します。 5年生「電流がつくる磁力」の単元では、『小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 理科編(p.66)』には、下記のような記述があります。 これらの資質・能力を児童が獲得できるように、学習計画を考え実践しました。 てだて① 単元学習計画の見直し 今回の授業実践では、下記のような単元学習計画の流れで行いました。●第一次:電磁石に親しむ 一斉授業 1~2時間目 1時間目は、電磁石を用いたつりざおを作り、「つりゲーム」を行い、気づいたことや今後取り組みたいことをまとめます。 2時間目は、「つりゲーム」を行い、気づいたことを発表し合い、気づきを分類分けしました。その際の板書は、図1のようになりました。このよう 電流がつくる磁力について,電流の大きさや向き,コイルの巻数などに着目して,それらの条件を制御しながら調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。ア 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する技能を身に付けること。 (ア)電流の流れているコイルは,鉄心を磁化する働きがあり,電流の向きが変わると,電磁石の極も変わること。 (イ)電磁石の強さは,電流の大きさや導線の巻数によって変わること。イ 電流がつくる磁力について追究する中で,電流がつくる磁力の強さに関係する条件についての予想や仮説を基に,解決の方法を発想し,表現すること。図1 2時間目の板書に、児童の発言からクラスの共通の問題を作って分類し、学習を進めました。 問題の分類例は下記のようになり、全員が取り組み、この問題以外に、一人一人が見いだした発展的な問題は、時間の許す限り取り組ませました。●第二次:個別学習 3~10時間目 「電磁石について知って、説明できるようになろう。」という目標で、個別学習を行いました。個別学習では、分類された問題を自由に選び取り組んでいきました。その際に、ノートなどに、予想、実験計画を書き、安全に実験できることを確認したり、指導、助言したりしてから取り組ませました。●第三次:発表 一斉授業 11~12時間目 学習した内容について、発表、共有しました。●第四次:発展・応用 個別学習 13~14時間目 電磁石の利用・応用・もの作りを行いました。電磁石を利用したさまざまな道具について学んだり、電磁石を使ったもの作りをしたりしました。 てだて② 学習進度ボードの活用 児童の学習進度が分かるように、表1のような学習進度ボードを用意して活用しました。自分の進度鉄を引き付けるのだろうか。極が入れ替わるのだろうか。どうしたらよいだろうか。大きくなるのではないだろうか。❸コイルの巻き数を増やすと電磁石のはたらきは、大きくなるのではないだろうか。14電磁石の性質ついて電磁石のはたらきについて❶電磁石のはたらきを強くするためには、はじめに5年生 「電流がつくる磁力」個別最適な授業実践のためのてだて個別最適な学びの授業実践東京都立川市立第八小学校主幹教諭 田た部べ井い 淳じゅん理科

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