2白梅学園大学・同短期大学名誉学長家族・保育デザイン研究所 代表理事汐しお見み 稔とし幸ゆき提言 本冊子のテーマにある「自分デザイン」という言葉は、子どもが自分の人生を自主的にデザインするという意味で、大変いい言葉だと思うのですが、日本の教育が今までずっとおろそかにしてきた考え方かもしれません。 そもそも教育において何を教えるべきかというと、大きく分けて三つあると思います。子どもは最初に生まれ落ちた時から、ここがいったいどういう世界なのかをより深く知ろうと希求し、いろいろな知識をふんだんに学んでいきます。自然科学や社会科学など、学力といわれていることの大半は、この世界がどうなっているかということについての知識であり、これが一つめの学びです。 しかし、私たちが生きていて最も幸せを感じるのは、人間関係がうまくいっているときなのです。 人間にとっていちばん大事なのは、よい人たちに囲まれ、人間関係を上手につくること。それがうまくいっているときは幸せだけど、うまくいかなくなると途端に苦しみ始める。それほどまでに人間にとって人間関係の意味合いは大きい。外の世界がどうなって先生教育において大切な 三つの学び学びをデザインすることで自分自身をデザインする
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