特集の視点教科輝いて生きるための自分デザイン教科の視点英語ー 外資系一般企業から英会話講師、中学校外国語科教諭、小学校教諭、外国語専科(主幹教諭)という職歴の間、私は常に小学校英語の変遷を見続けてきました。 その変遷は、教材の絵カードからも見て取ることができます。 「英語を言ってみよう」という活動から始まり、文字が添えられるようになりました。現行学習指導要領では「書き写す」という活動が加わり、絵カードに4線が引かれるようにもなりました。また、文構造で英語を捉える際に役立つよう、複数形で表記されています。 また、多くの単元に自分や身のまわりのことを伝える「発表」の活動が取り入れられるようになり、「英語で楽しもう」という外国語の始まりから、より確かなコミュニケーションの力が求められるようになりました。 本稿では、このように英語教育の「ねらい」が詰め込まれている教科書教材の活用と、自分と相手を理解し、自分らしさを発信することに重きをおいた授業づくりの事例を紹介します。 学級全体の理解度の確認と指導改善のため、2年ほど前から、Googleフォームを活用した復習ミニテストを行っています。前任校の5年生では、2学期から行いました。 問題は全部で5問あり、それぞれ5択問題です。1つの単元で1~3回分を作成し、実施しています。出題内容はアルファベットの大文字と小文字のマッチングクイズや、以下のような教科書の挿絵を活用した問題、その他3ヒントクイズなどです。『英語ノート1』『Hi, friends! 2』 『ONE WORLD Smiles』教科書5年Lesson 4にあるイラストの、正しい意味を選ぶ問題例(筆者作。以下同) 子どもたちはフォームを送信した時点で点数がわかり、即座に正誤を知ることができます。また、指導者にとっては、学級全体の理解度をその場で把握できます。よくできた問題については褒め、理解が浸透していない問題については、つまずきの原因を考えながら解説することができるのがよい点です。テスト実施と解説で7分程度を目安に行っています。 今年度、5年生のLesson 1「Nice to meet you.」(自己しょうかいしよう)では、子どもたちは好きなもののインタビュー活動のあと、指導書に同梱されているワークシートをもとにしたオリジナルワークシートを作成し、みんなの前で自己紹介を行いました。 子どもたちはGoogle Classroom™を利用し、好きなものやほしいものの画像を貼り付けてオリジナルワークシートを作成しました。 私がクラスの人数分、指導書のワークシートを貼り付けたスライドを送信し、子どもたちは、自分の出席番号のスライドを編集してオリジナルワークシートを作成していきます。このとき、他の子どもたちの作業の様子を見ることができるため、「自分だったら……」と考える手助けとなり、作業時間に大きな差が生まれることもありませんでした。また、4月時点ではアルファベットを書く学習がまだ不十分なので、絵を貼り付けて完成できるオリジナ教科書5年Lesson 3のイラストを見て、イラストにない表現を選ぶ問題例問題の正答率から、理解度をすぐに確認できる教師用画面20絵を見て言ってみよう。文字も見て言ってみよう。言えたら、書いてみよう。小学校英語の変遷―自己発信をより大切に復習ミニテストで理解度を把握友達と同時進行でオリジナルワークシート作り学びを通して子どもが輝く外国語の授業~自分理解・相手理解の自己発信を通して~三重県朝日町立朝日小学校主幹教諭 重しげ河かわ 眞ま貴き子こ英語
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