教育情報誌 学びのチカラ e-na!! vol.6 (小学校版)
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子どもたち一人一人の見取りの実践船木文部科学省の調査(平成24年度、令和4年度「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査」)によると、通常学級に在籍する小・中学生の特別な教育的配慮を要する児童・生徒は、十年前は6.5%ほどでしたが、2022年度では8.8%にまで増加しており、多様化が進んでいます。加えて教員数の不足という問題にも直面し、両面から大きな課題を抱えています。船木特別支援学級では多くの専門職の方々からの手厚い個別支援を受けられますが、通常学級では30人の児童・生徒の中の1人ということになり、個別の対応を取りにくい状況にあると思います。船木児童・生徒一人一人のニーズに合った教育を実践するだけでなく、先生どうしの同僚性を高めるきっかけとしても活用いただけることを願って、学級経営を支援する視点で開発したシステムです。特に若い先生がたのサポートツールとしてご活用いただけると思います。船木我々の会社は、もともと医療用医薬品を扱う製薬会社(塩野義製薬株式会社)のCSR活動としてスタートした経緯があります。医療業界から教育現場の支援を行いたいという思いから開発に入ったものの、教育の最前線で奮闘されておられる先生がたの真のニーズに合ったサービス開発を手がけていくことが難しかったですね。今後も先生がたのお知恵とアドバイスをいただきながら、サービス向上を目ざしていきたいと思っています。船木例えば、感染症を例にあげると、手洗いやうがいといった日常の生活習慣が感染症に罹患するリスクを低減するにはとても大切です。ウイルス感染症の場合、抗ウィルス薬でウィルスの増殖を抑えることで症状が和らいだり、完治したりします。医療用の医薬品を扱う製薬会社として、ADHDの治療薬を手がける機会があり、感染症と同様に、薬にとどまらない貢献ができないかと考えたことがきっかけです。船木学校現場での困りごと、国の目ざす教育方針など、さまざまなご示唆をいただき、これまでずっとご支援をいただいています。船木結-ENは単なるソフトウェアではなく、学級経営力を高めるヒントがたくさん詰まったシステムだと考えています。結-ENをご活用いただくことで、先生がたの手によって児童・生徒が一日の多くの時間を過ごすクラスの環境を変え、その環境が一人一人の子どもたちを変え、子どもたちが学校を変えていく、そんな温かい学校作りのお手伝いができたらいいですね。船木先生がたからは、散らかっていた教室がきれいになった、運動会での子どもたちのハツラツとした声量が増した、よく元気に挨拶をしてくれるようになった等のお話をうかがっています。なにごとにも積極的に行動する子どもたちが増えたり、笑顔が増えたりという声をよくお聞きします。船木同じ学区内であれば可能です。先生がたに入力いただく子どもたちのデータには、大変機微な情報が含まれていますので、万全の体制をもって情報管理に努めております。お預かりしているデータは医療データではありませんが、医療サービスの提供に必要なガイドラインにのっとりシステム設計がなされており、情報を適切に管理することができます。そこが結-ENの強みでもあり、教育現場からの信頼につながっていると思っています。Yui Connection サービス事業部部長 船木 智子さん「結-EN」について 詳しくはこちら結-EN開発にあたり、学校現場の課題や現状をどのようにとらえましたか。通常学級の中でも、ケアが必要な子どもたちは増えているんですか。業務多忙の先生がたをフォローする目的で開発されたということですね。結-ENを開発するにあたって、苦労された点はどんなところでしょうか。医療業界から教育現場に入られたきっかけはどんなことですか。32弊社の社会科の著者の小林宏己先生も、結-ENの開発に協力されたとお聞きしました。今後、結-ENで学校現場はどのように改善されるとお考えですか。具体的に学校や子どもたちがどのように変わったかご紹介ください。結-ENで得られた情報は、中学校にも引き継げるのでしょうか。挑戦医療業界から教育現場への貢献

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