教育情報誌 学びのチカラ e-na!! vol.7 (小学校版)
10/36

の視点教科3年4年❷「すごさ」という言葉と職人さんの写真を板書の中心に据えて視覚化し、児童が本時の問いを確実につかめるようにします。❸児童が捉えた事実や考えを板書の両脇に分類して書き、中央に問いとまとめが上下で対応するように板書を構成することで、児童のさまざまな考えがまとめへとつながるようにします。❷当時の消火活動の内容や経過と、それを上回る被害の拡大を対比させるように板書し、児童が当時の公助の限界に気づけるようにします。❸共助により、まちを守った地域の事例について調べてわかったことを右側に板書し、自助・共助の大切さに着目させて、本時の問いへの考えをまとめます。社会教科の視点 四谷小学校では、学習問題の解決に必要な問いを設定し、児童が「主体的に問いを追究する授業」を目ざして研究を進めています。これまでの授業の中から、教材の意図や児童の思考の流れが見える板書の工夫を学年別にご紹介します。10の問いにつなげ、学習に必然性をもたせます。【引用文献・資料】・「1923 関東大震災報告書」中央防災会議(平成18年7月)・「東京市立小学校児童震災記念文集 朗読DVD」東京都慰霊協会・『関東大震災 1923年、東京は被災地だった』東京防災救急協会(2023)1 本時(6/9時)のねらい 職人の技術の高さに着目し、体験活動や動画資料から職人の工夫や努力を考えられるようにする。2 授業の展開導入 問い「すごさはどんなところか」をつかむ。展開1 工場見学の体験をもとに自分の考えを書く。展開2 考えを伝え合い、「すごさ」を話し合う。まとめ「すごさ」を考え直し、ノートに書く。1 本時(3/9時)のねらい 資料などで調べ、関東大震災への地域の関係機関や人々の対処について理解できるようにする。2 授業の展開導入 関東大震災時の対処を予想し、話し合う。展開1 防災機関、避難所、町内会の対処を調べる。展開2 調べてわかったことを全体で話し合う。まとめ わかったことや考えたことを文章で書く。私たちのくらしと工場~東京染小紋を作り続けるHさんの仕事~地震からくらしを守る~自助の取り組みで首都直下地震を乗り越える~3 主体的に問いを追究するための板書のポイント❶体験を通じて感じたことを板書の最初に書き、本時3 主体的に問いを追究するための板書のポイント❶既習の関東大震災の被害がわかる地図や被害にあった小学生が書いた作文を左側に掲示し、児童が被害の分布や大きさを想起できるようにします。「主体的に問いを追究する授業」のための板書の工夫東京都新宿区立四谷小学校   教諭 下しも楠くす薗ぞの 達たつ也や  主任教諭 日ひ向が野の 彰あき久ひさ             主任教諭 島しま谷たに 直なお樹き   主任教諭 坪つぼ田た 真まさ尚たか社会

元のページ  ../index.html#10

このブックを見る