教育情報誌 学びのチカラ e-na!! vol.7 (小学校版)
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英語教科の視点【先生がたへのメッセージ】 児童に「私、できるかも!」「あっ、ああやればいいんだ!」というワクワク感を与える指導アプローチから、「できた!」の達成感あふれる笑顔を見たいですね。頑張りましょう。さらに有効なてだてが2つあります。続きは、ウェブサイトにて順次紹介いたします(連載)。 多くの授業で、ペアワークやグループワークが授業の後半に位置づけられ、授業の残り5分ぐらいのところで「振り返り」を行うことが多いです。また、「振り返り」の「楽しかったか」等の設問は、目標とする児童の姿からかけ離れています。これだと、児童にとっては、課題が発見できた場合でも、「活動が十分にできなかった」という印象に留まり、課題を解決できないままで授業が終わることになります。 例えば、部活動の練習試合でうまくプレーできなくて負けたとします。児童は「次は勝ちたい」と強く感じ、この練習試合の課題に気づけたら、すぐにその克服の練習をしたいと思いませんか。そこで、Activity → 「振り返り1」→ Activity → 「振り返り2」の流れをお勧めします(図3)。2段階の振り返りで、自ら課題に気づき、その改善を図る「自己調整」の力を育てます。図2“What did you do last summer vacation?”のやり取り例(モデリング)※「○○」「××」には、地名や名称が入ります。図3 課題を明らかにする振り返りを加えた指導例 最初のActivityの後の「振り返り1」の場面で、もう一度やり取りのお手本を見せるか、模範となる児童同士のやり取りを見せるかの機会をもつことが大事です。客観的にモデルと比較して自己を見つめ、どうしたら改善できるのか考えさせる機会となります。つまり、モニタリングでの気づき、そして「よし、こうすればできるかも」というコントロールがメタ認知のスキルを高めます。 2回めのActivityでは、課題を本当に克服できるか挑戦します。そして、1回めと比べてどのように改善または成長できたかを考える機会が「振り返り2」です。ここでは、会話の内容に注目させるやり取りにおいて、適宜学習者に言語形式(正しい英語表現など)にも意識を向けさせ、場面に合った表現の理解につなげることができます(Focus on Formの考え方)。 以上が「自己調整」の力を育てながら、主体的で価値ある学びを引き出すための2つのポイントでした。21ポイント2課題に気づき、「自己調整」の力を育てる「2段階の振り返り」を!

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