教育情報誌 学びのチカラ e-na!! vol.9 (小学校版)
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点白坂洋一迎ゆか有果QQ先生先生(右)白坂洋一:筑波大学附属小学校教諭。お気に入りの教材は 3 年下巻『おにたのぼうし』。白坂: 授業で進行を意識しすぎると子どもの姿が見えなくなってしまうので、あえて子どもの輪の中に入り、彼らと同じ目線で黒板を眺めたり、一緒に悩んだりするようにしています。授業に臨む前には、準備してきた指導案や考えを「捨てる」ことも心がけています。捨てきれないときほどうまくいかないんです。あえて多くを語らず、子どもたちの言葉が生まれるのを待つ。その感覚を大事にしています。迎: 今のお話、重なるところがとても多いです。私も、自分が説明すればするほど伝わらなくなる経験を何度もしました。むしろ子どもどうしが言葉を交わした時に、すんなり理解が生まれることがあるんです。置いていかれたような気持ちになりますが、それこそが「言葉が動いた」瞬間だと感じます。ですから指導案に縛られず、子どもの反応や言葉に耳を傾けることを大切にしています。特に、子どもの言葉を大実はずっと国語が苦手でした。教師になって国語を学び直し、おもしろさがわかったんです。人の言葉に「言いかえない」こと。子どもの表現をそのまま受け止めて、大事に使うようにしています。白坂: その感覚、よくわかります。私はよく「水たまりの波紋」にたとえるのですが、一人の子の「言葉」という石を投げ込むと、クラス全体に波紋のように広がっていくんです。その広がりを見つめ、ときには自分もそっと石を投げてみる。そんなイメージで授業をしています。白坂:言葉とは「自分自身をつくるもの」だと思っています。国語の授業で子どもの姿を見取っていくうちに、言葉の効果や有効性を実感しました。言葉には、相手を傷つけたり、逆に優しさを10インタビュー! あの人に聞く教 科 の視国 語構成:国語科編集部「言葉の力」を大切にしている教育出版の小学校国語教科書。「言葉」に関わるさまざまなかたへのインタビュー、好評につき第 2 弾!教科書編集委員の先生の「言葉」観に迫ります!授業などで「言葉を選ぶ」際に意識していることや、うまく伝わらなかった失敗談などはありますか。ご自身にとって、言葉とはどのようなものですか。また、言葉のあり方に対してどう考えますか。intervi e wさ かよ うい ちし らむ か え(左)迎有果:筑波大学附属小学校教諭。お気に入りの教材は2 年上巻『きつねのおきゃくさま』。言葉と私たち

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