QQ示したり、自分を励ましたりする力があって、その言葉の力は、発する人の心持ちによって大きく変わります。言葉の意味やあり方は時代とともに変化しても、「発する人がどのような意味、そして心持ちで使っているか」ということ迎:流行だからと安易に言葉を使うのではなく、意味や使い方をしっかり考えて使ってほしいです。そして、辞書的な意味の理解で終わってほしくないと思います。そのために授業では、生活と結びつけながら言 葉を理 解し、使っていくことを大事にしています。生活の中で言葉は育まれていくので、決まったかたちやプランで進めるのではなく、子どもと一緒につくっていくような国語の授業で、学びの力を引き出したいと思っています。でもその授業の姿はまだ見えていなくて……。白坂先生の考えを聞きたいです。白坂:失敗を通して学ぶことって、すごく大きいです。自分の授業を振り返ることから逃げないでほしいなと思います。私はもともと国語科専門でなく、国語の授業に困っていたので、授業の中でよかったところ、よくなかったところ、改善点をExcelにまとめるようにしていました。そうしたら、次の授業で同じようなシチュエーションがあったりするんですよ。私は、誰よりもたくさん失敗をしているという自負があって、編集部よりは、今後も大事にされると思います。迎:私は、言葉を客観的に、少し距離をおいて見ています。言葉は生き物だと思っていて、自分との関係が近くなったり遠くなったりする中で、どんどん生きて育っていくような感覚をもって白坂:自分で学ぶ力、思考する力を育むのに、いちばん大事なのが言葉の力だと思っています。言葉は、実際に使ってみて失敗しながら、自分で考えて学んでいくもの。そうやって、考える力を育んでいくのが国語科の特性でもあるから、内容理解に限らず、「学び方を学ぶ」ということに大きくシフトしていくことが大事だと思っています。子どもたちも言葉の使い手です。言葉を教えてあげるのではなく、子どもの考えを言葉でどう引き出していくか。そのために、教師の役割も変化しているように思います。失敗は次に生かすための「経験」になると思っています。いろいろな人の授業を見て学んで、試していってほしいと思います。迎:諦めないで続けていくと、見えてくるものがあると思います。私もいっぱい失敗しました。子どもの視点で見られるようになってから、授業が変わったなと思います。これをやるとワクワクしそうだなとか、楽しいだろうなとか。失敗もするんですけど、他にできることいます。言葉は、何もモノがなくても相手に与えることができるよさがある一方で、その背景にある真意や心情も含めて受け止めないと、誤解が生じる曖昧さももっています。その曖昧さが言葉のおもしろさでもあると思います。迎:教師の立ち位置としては、教師と子どもという上下の関係ではなくて、一緒に横に並んで見ているという感覚でしょうか。教師になったきっかけのひとつは、中学の担任の「先生になったらどう?」という言葉です。がなかったか、子どもの表情を見ていたか、白坂先生も話されたように自分を振り返って、続けていくことが大事だと思っています。続けるといっても、休み休みでいい。心が折れそうになったときは、私はいろいろな人に声をかけています。やっぱりしゃべることって大事で、言葉によって励まされて、支えられているのかなと。一緒に、楽しくてワクワクするような授業をつくっていきましょう。11インタビュー完全版はこちら!先生が言葉を重ねるのではなく、子どもの言葉をじっと待ち、耳を傾けることが大切なのだと、お二人のお話にハッとさせられました。子どもと一緒に授業をつくり、伴走しようとするその姿が、本当に素敵でした!子どもたちにどのような言葉の力をつけて、どのような言葉の使い手になってほしいと思いますか。また、そのためにこれからの国語の授業をどうしていきたいですか。最後に、若手の先生へメッセージをお願いします。
元のページ ../index.html#11