大切なことを振り返るふせんを動かし、一瞬だけ問題を見せると「もう 1 回見せて!」という子どもたちの声が聞こえてきます。 問題が全て見えている場合よりも問題が焦点化されるので、算数が苦手な子どもも安心して学ぶことができます。 1 年生の「どこに あるかな」の学習では、自然と子どもたちから「野球ボールは上から 3 段めのいちばん右にあったよ!」と、場所を示す言葉が出てきました。あれっ?青い帽子の子もいるよ。3つになっても考え方はさっきと同じで…。 2 年生の「100より大きい数」の学習では、一度に 3 組の得点を比較するのではなく、ズーム機能で 2組の得点のみを提示して、数の比較を行いました。ズーム機能を使って問題を焦点化し、まずは 2 組の場合で解決することで、その際に働かせた見方・考え方を生かして 3組の場合でも問題を解決することができました。ふせん機能を使えば、見せたくない部分を隠すことができます。とができます。算数は既習事項を生かして問 題 解 決を行う教 科です。系統性が強い教科なので、必要に応じてこれまでの学びを振り返ることが大切です。 横須賀市では校務用生成 AIが導入されています。今回は校務だけでなく、授業でも生成 AIを使ってみた実践を紹介します! 4 年生の「折れ線グラフ」のページにあるグラフの画像を読み込ませ「この折れ線グラフから読み取れることを、小学 4 年生向けにわかる言葉で 5 つ教えて!」とプロンプトを入力しました。子どもたちには「生成AIを超えられるか!? グラフから読み取れることを説明しよう!」と投げかけ、生成 AIと対決しようと提案しました。 資料を使えば、これまで学習してきた大切な内容をすぐに振り返るこ17正もう1 回見せて!野球ボールは上から3段めのいちばん右にあったよ! ただ単に「グラフからわかることは?」と問いかけるよりも、「生成 AIよりもたくさん見つけたい!」「読み取れることを 5 個以上見つけるぞ!」と子どもたちは意欲的に取り組んでいました。生成 AIが出した結論を「そんな見方があったのか!」「この分析って本当なのかな?」と、まるでクラスの友達の一人の意見のように受け止めていた子どもたちの姿が印象的でした。今回の実践のように、生成 AIと対決するような展開にしたり、子ども向けの言葉で説明させたりすることで、子どもたちにとって生成 AIがぐっと身近な存在になりますよ。生成 AIの利活用のルールなどをふまえ、まずは、統計の学習の「データの分析」で使ってみることをおすすめします!前の学年で学んだことが生かせるね!この折れ線グラフから読み取れることを小学4 年生向けにわかる言葉で5 つ教えて!支える心強いツールの一つとなっています。本稿では、明日の授業からすぐに使える便利な機能や活用アイデアを具体的に紹介します。日々の算数授業の質を高め、子どもの学びをより豊かにする実践的なヒントをお届けします。簡単な工夫ばかりなので、ICT活用に悩んでいる先生も明日の授業からすぐに使うことができますよ! ICT活用が進むなか、「指導者用デジタル教科書(教材)」は授業づくりを番 外 編「生成 AIを超えられるか!?グラフから読み取れることを説明しよう!」教 育 出 版 以 外の教 科 書をお 使 いの先 生にも、役 立つお 話がたくさん!似ている機 能を 探してぜひまねしてみてください! 一瞬だけ見せる
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