教育情報誌 学びのチカラ e-na!! vol.9 (小学校版)
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 小さなことでもどんどん褒めるようにしましょう。児童に「英語の時間は褒められる時間」という認識が根づくと、安心して授業に参加できるようになるはずです。 年度初めに、"Learning by doing"、つまり実際にやってみながら(まちがえながら)学習を向上させる、といったルールを共有している先生は多いようです。まちがいがあったとしても「まちがい」として指摘するのではなく、例えば先生からのリアクションで正しい表現に言い直すことで、まちがえることは恥ずかしいことではないという雰囲気づくりができるでしょう。 あえて先生がまちがえた表現を使うなどの姿を見せることも一つの手です。学習モデルとして先生が一生懸命英語を使う姿を示すことで、児童も「まちがえることは学習の向上につながるんだ」と気づくようになるでしょう。 「相手にいかに自分の気持ちを伝えるのか」に焦点を当てることで、英語が苦手でも他者の共感を呼ぶ英語を話せることに気づくことができるでしょう。 グループワークを行うときに「いちばん大切なのは助け合うこと」と伝えている先生もいらっしゃいます。早く終わることではなく、終わっていない友達や他のグループのフォローに回ることを大事にしているそうです。  児 童 が 困ったときに 出 せる「Help!」のカードや手を挙げるなどの合図は取り入れやすいでしょう。「Help!」を出すとALTや T1に教えてもらえたり、一緒に発表してもらえたりするなどのルールをつくっておくと、児童は安心して活動に取り組めるでしょう。 英語が得意な児童には、相手が気持ちよく話せるためのリアクションに英語力を生かしてもらうことができるでしょう。リアクションで相手の言いまちがいをさりげなく言い直すなど、英語が得意な児童もそうでない児童もそれぞれが相手意識をもてるとよいですね。 児童に、日本語での発表でまちがえたり詰まったりしたときには自然と言い直していることを思い出させると、英語でも同じだという意識で発表に臨むことができるようになるでしょう。 全員がB評価に到達できるよう、スモールステップで指導している先生もいらっしゃいます。B評価に到達したことを価値づけることで、児童が「自分もできた」「これなら大丈夫だ」といった気持ちを感じられるようになるでしょう。 聞き手を育てることに配慮しているという先生もいらっしゃいます。発表ややり取りで、聞き手の笑顔や前向きなリアクションをもらうと、自然と発表者にも笑顔が生まれそうですね! 発表を行う前に、エリアを分けて個別最適な学びの時間を確保している先生もいらっしゃいます。例)エリア1:個別に動画などで学習するエリア2:先生(ALTやT1)と練習するエリア3:友達と発表の練習をする25英語が得意な児童とそうでない児童にモチベーションの差があります。どのような工夫をするとよいでしょうか?発表等でまちがえることに対する児童の抵抗を和らげたいです。どのような工夫・サポートができるとよいでしょうか?褒める!ルールの共有・意識づけ「助け合い」を大切に相手意識に焦点を日本語での発表と同じ「Help!」の合図目ざすはB評価聞き手を育てる得意な英語をリアクションで生かす個別最適な学びの確保先生がまちがえる姿を見せるQ2Q3

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