の視点教科特集学びが広がる授業デザイン教科の視点社会ー デジタル教科書p.260 資料1東西陣営の対立(1955年) 東西両陣営の軍事同盟やその他の勢力について、 教育出版の歴史的分野教科書の「現代」の単元における、デジタル教科書を活用した授業実践例を紹介します。第7章・「1節:日本の民主化と冷戦」では、国際連合の発足や米ソ両陣営の対立、アジア諸国の独立や朝鮮戦争、その後の平和共存の動きなどを、日本の動きと関連させながら扱うことをねらいとしています。その中でも「③冷たい戦争の始まり」では、北大西洋条約機構、安全保障理事会等、生徒がニュースで耳にする事象も取り上げられています。そこで今回は、その位置的な広がりや歴史的な経緯について、デジタル教科書を有効に活用しつつ、現在とのつながりという観点からとらえさせることを目ざしました。 歴史的分野も大詰めにさしかかる本単元では、ここまで学んできたことと自分たちとのつながりや、現在と未来の日本と世界の在り方について、課題意識をもって考察、構想することが求められています。国際連合の役割が大きな話題となっている昨今の状況の中で、その仕組みと課題について、歴史的な側面のみならず、現在の国際情勢と関連づけて考察することは、歴史的分野の学習を通して現代社会について考えるために非常に重要ではないでしょうか。本時の学習が、現在、そして将来の世界の姿の構想に繋がるためのステップになればと思います。 授業の序盤では、p.260資料1を拡大して提示します。デジタル教科書p.286の年表資料 漠然と平和なイメージでとらえがちな第二次世界大戦終結以後も、さまざまな戦争、対立が存在することを視覚的に実感できるのではないでしょうか。 本時の授業で考察した内容をもとに、歴史的分野の学習のまとめとして、現在と未来の日本や世界の在り方について考察・構想を行うこともできます。その際、国連などの国際機関、日本政府、そして我々一人一人という多角的な視点から考えていくことが大切です。こうした実践を通して、平和で民主的な社会形成についての考察がさらに深められればと思います。凡例ごとに表示することが可能なので、それぞれの位置的な広がりについて、具体的にイメージをもたせることができると考えられます。 東西ドイツの分裂の様子やベトナム戦争の展開については、デジタル教科書の動画コンテンツ(p.260、264の動画リンク)を活用します。生徒の視覚的な理解を助けるとともに、必要な情報が短時間でまとめられているため、授業後半の考察に充てる時間を確保するためにも有効です。 国際連合発足後に起こった出来事について、教科書p.286の年表資料をもとに生徒自身にまとめさせることも考えられます。デジタル教科書p.264の動画リンク10はじめにデジタル教科書活用のねらい授業の改善案・さらに活用へ現在・将来の考察、構想につながる歴史学習の実践 ~デジタル教科書を活用して~東京都中野区立中野東中学校教諭 中なか濵はま 佑ゆう太た社会
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