教育情報誌 学びのチカラ e-na!! vol.3 (中学校版)
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ー9特集学びが広がる授業デザイン教科の視点 書写図1 生徒のタブレット画面図2 タブレットでの動画視聴図3 ロイロノートの資料箱に試書・まとめ書きを提出方向授業にも役立ちます。 前提としてICTはあくまで手段であり、書写を学習する活動とICTでの活動を見極めたうえで、従来よりもより効果的に活用することが大切です。また動画ではわかりにくいところについては、伝え方の工夫も必要だと思います。 したがって「デジタル化」が進展している今こそ、手で「書くこと」と「デジタル化」が共存し、それぞれの長所を活かしつつ、生徒の「深い学び」につながる力が身につく授業を目ざしていきたいと考えます。設定します。また、教科書の課題の文字は大抵半紙よりも小さいサイズで印刷されていますが、書くことに抵抗がある生徒でも、教科書のデータを半紙大に拡大したり、動画を視聴したりすることで、限られた時間内で効率的に取り組めていました。 また「ロイロノート」の資料箱(図3)に、全体の運筆リズムや字形の取り方がわかる動画や、毛筆の穂先の動きや筆使いがわかる動画などを送信することで、生徒が必要に応じて繰り返し見られるようにしました。さらに、必要に応じて、机間支援しつつ、筆圧についての説明は水書板を用いて補足しました。《まとめ》 生徒どうしで課題にそって相互批正し、まとめ書きを仕上げます。課題にそってどのように書けばよいか、生徒どうしで協働的に課題解決を行うことができるような活動を取り入れました。生徒が試書と比較したまとめ書きを撮影し「ロイロノート」の資料箱に提出することで、生徒と教員の間で情報を即時に可視化・全体で共有でき、意見を交換することで学び合いができました。生徒の感想では、特に「和」の五画めの点画の省略と「口」の「曲がり」の部分が難しかったという感想が多くみられました。結果として、情報把握やフィードバックの効率が飛躍的にアップしました。【第二時(2/2)の学習指導展開例のまとめ】 第二時「はがきの書き方」の授業では、日本郵便株式会社が主催する「手紙の書き方体験授業」(https://www.schoolpost.jp/)で支給された官製はがきを使用して、お世話になった先生に暑中見舞いや年賀状を書いて投函しました。生徒は筆ペンやサインペン、絵柄は美術の授業で使用した色鉛筆や絵の具を用いており、主体的に日常生活で活用する様子が見受けられました。 生徒の感想として、心を込めて丁寧に文字を書くことの大切さや、書いた文字に個性が出る点など、各自の「書くこと」への気づきが見られました。 教材の「デジタル化」で、これまで以上に学びの幅が広がっています。書写の授業改善の手段としてICTを活用することは、各教員の書写技能にかかわらず書写指導ができ、教材研究の負担も軽減される効果があります。また、生徒の学習履歴の把握や双おわりに【書写指導が苦手……、でも大丈夫です!】

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