❷絵を描いたことで筆者が感動した秋の情景を理解でき❹清少納言のように、季節の変化に感動したり、気づい❶春の情景❷秋の情景❸情景の変化❹季節の変化ー7特集未来を拓く授業デザイン〜課題に向かう力を身につける〜教科の視点 国語・山際が白くなっているか。・雲が紫で、細く横に長くなっているか。・太陽が描かれていないか。❶絵を描いたことで筆者が感動した春の情景を理解できましたか?ましたか?❸清少納言のように、季節による情景の変化に感動したことがあり、共感できましたか?たりしたことがあり、共感できましたか?・夕日が山の近くにあるか。・烏が3~4羽と、2~3羽の2グループが描かれているか。あてはまるあまりあてはまらない0%20%40%おおむねあてはまるあてはまらない13人12人11人14人60%80%100%(N=27)12人2人12人2人1人14人2人11人2人に着目すべきかに気づくきっかけとなるからです。 全ての生徒が提出したところで、春の情景として、最もふさわしい絵とその理由を発表させました。絵による表現が苦手で、思い描いた情景を作成できない生徒は、作品を選ぶことで、理解度を測ることができるため、この方法は有効だと考えます。 実際の発表では、「この絵は山際が白いから。」や、「紫の空の色が、夜の暗い感じを表現しているから。」といったように、絵と表現を比べて、考える様子がありました。絵を選ぶポイントについて考えさせると、次の三つの発言がみられました。 条件に合う図2のような絵を示しながら、情景を描く際に重要だと思われる言葉に着目することが大切だと伝えました。 「夕日のさして~あはれなり。」の部分から思い浮かんだ情景を、授業支援システムに絵(図3)で表現させました。春のときと同様に、古典の原文や現代語訳を参考に、情景を絵で表現するように伝えました。春の学習を受け、「山の端に夕日がある必要がある。」や、「烏はどうやって描こうか。」といったように、着目する言葉を考えながら、前向きに取り組みました。 全ての生徒の作品がそろったところで、秋の情景として、最もふさわしい絵とその理由を発表させました。図3の絵を示し、「烏が複数匹飛んでいるから。」や、「太陽が山の近くで西に沈む様子がうまく表現されている。」といったように、表現に合った絵を選んでいました。 絵を選ぶポイントについて確認すると、次の二つの発言がみられました。図3 秋の情景を表現した絵図4『春はあけぼの』に関するアンケート結果 全ての質問に対して「あてはまる」または「おおむねあてはまる」と答えた生徒は、24人(88%)~25人(92%)でした。多くの生徒が絵を描くことで季節の情景を理解したり、清少納言に共感したりすることができたと考えます。「❷秋の情景」について「あてはまらない」と答えた生徒が1人いましたが、その理由は「秋の授業を欠席したから。」であり、「❶春の情景」では「あてはまる」と答えていたため、秋の授業を受けていれば、好意的な意見の可能性があったと思います。 情景について、古典の原文や現代語訳を手がかりに、描写させたり、ふさわしい絵を選ばせたりする活動をとおして、作品の理解を深めることができました。また、清少納言のように、情景や季節の変化に気づいたり、感動したりした自身の体験を思い返し、共感することができました。 重要な言葉に着目するという春のときの学習によって、情景を捉えたり、作品の表現に合う絵を選んだりすることができました。更に、烏が飛ぶ様子の現代語訳が、「飛ぶ」や「飛んでいる」ではなく、「飛んでいく」という表現だということに気づいた生徒もいました。作者が感動した情景について、細部に着目しながら考えることができました。 授業後、授業に参加した27人の生徒に以下の4項目のアンケートを実施しました。実践のポイント③ 「秋の情景を絵で表し、全体で検討する」(3・4時間め)学習を振り返って
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