❶修学旅行ですでに作成してある俳句・短歌を用いて掲特集の視点教科未来を拓く授業デザイン〜課題に向かう力を身につける〜教科の視点書写ー 8示物を制作していくこと。❷これまでの掲示物よりも、文字を書くという点に重きをおき、可読性を失わず読み手に伝わるように意識しながら制作すること。❸意見交流する際には、書字された文字と、言語表現の二つの観点をもって批評に臨むこと。 ここでは、第1学年で11月に行われた「北総常南修学旅行」と教科の学習を結びつけ、生徒が詠んだ俳句や短歌を、掲示物としてまとめたうえで、話し合い活動を進めた取り組みを紹介します。示物を書く。・掲示物の、文字としての書かれ方、俳句・短歌といった言語表現の意味や価値について、それぞれ批評し合う。 第1時では、この3点を確認したうえで、草稿作りに入りました。その際に適宜、教科書巻末の漢字一覧表を使用して楷書・行書の書き方の例を探し、自分の制作意図にそって選択して、文字の大きさ第1時第2時第3時・書字された文字と俳句・短歌それぞれを味わい、批評し合うことについての理解・掲示物の草そう稿こう作成①・掲示物の草稿作成②・実際の書字、構成・掲示物、言語表現それぞれについての 批評 国語科「書写」の学習は、教科書教材を用いて実技を行う時間が多くなると思います。それは生徒の書字能力を育成していくため、大変価値あるものです。 一方で、生徒がさまざまに書字した文字や、可視化された「言葉や言語表現」を、生徒どうしで見合い、批評し合う過程にも、また異なる価値があると考えています。他者の書字や言語表現の意図や特徴をくみ取りながら、その価値や意味、あるいは課題を見いだしていくこと。そして、書字活動と言語表現とを結びつけた新たな学びや理解を広げ、多様化させながら、取り組みの質・量の伸長を目ざしていくことも可能であると思います。本校における国語科、国語科「書写」の連関 本校では、1~3年の学年ごとに、「北ほく総そう常じょう南なん修学旅行」(千葉県・茨城県)、「秩父長なが瀞とろ修学旅行」(埼玉県)、「人と文化修学旅行」(奈良県・京都府)を実施します。 筆者は本校国語科の授業において、①短詩型文学中興の祖である正岡子規②盛岡高等農林学校在学中に秩父長瀞に地質調査に赴き、多くの短歌を残した宮沢賢治③明日香・奈良を中心として多くの歌が残されている万葉集などを、修学旅行前後の学習に用い関連づけていきます。そして年間を通して、さまざまな行事での経験や学びを、生徒自身が俳句や短歌、万葉集に多く見られる長歌として詠み、掲示物にまとめる指導をしています。掲示物を作成する過程においては国語科「書写」で学習する楷書・行書の書体や、基本点画についての知識、字間や行間、余白に対する意識も念頭において、活動を進める必要があります。そのため、特に俳句・短歌や単元まとめなどを作成する場合、教科書p.36-37「二 楷書と仮名を調和させて書こう 5 学校生活に生かして書く」を用いて、確認を行い、構成・レイアウトを自ら考え、制作していく過程を大切にしています。(1)単元(教材)名 「北総常南修学旅行 俳句・短歌~それぞれの作品・掲示物を味わい、批評し合おう~」(2)単元(教材)の目標 ・楷書や行書の特徴、紙面構成などを意識して、掲(3)学習計画(3時間扱い) はじめに授業展開について授業計画授業の実際生徒の書字活動と言語表現を連関させる学びのあり方について東京学芸大学附属小金井中学校教諭 菅かん 俊しゅん輔すけ書写
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