教育情報誌 学びのチカラ e-na!! vol.5 (中学校版)
10/32

輝いて生きるための自分デザイン教科の視点社会ー 特集の視点教科学習活動導入(5分)展開(35分)まとめ(10分)10留意点デジタル教科書・教材●「①北アメリカをながめて」で既習の気温と降水量の特色を復習する。【問】北アメリカの降水量にはどのような特色がありましたか。●教科書の北アメリカの農業地域(資料4)を参照し、適地適作の農業を確認する。【問】なぜ農業地帯の多くがアメリカ合衆国の東側に広がるのですか。【問】なぜ地域ごとに農産物の種類が異なるのでしょうか。【問】大量生産をするために、どのような工夫をしているのでしょうか。●世界に占めるアメリカ合衆国の食料生産の割合を確認し、日本も輸入していることについて考えさせる。・p.95資料3を使用し、東から西に進むにしたがって降水量が減少することを確認。・念のため南から北へ進むにしたがって気温が低下することも確認。・自然との関わりを踏まえ、農業地域の特色を確認する。・「環境可能論」の立場から、バイオテクノロジーの技術や大型機械などによる効率のよい生産が行われていることを理解させる。・デジタル教科書の資料1と2の写真と埋め込まれている「NHK for School」のリンクからセンターピボットの様子を視聴させ、大型機械を導入した農業が行われていることを確認する。・資料3から、アメリカ合衆国が世界の食料庫であることと同時に、アメリカ合衆国に多くを依存する危険性に気づかせる。・デジタル教科書p.95資料3を拡大して投影。降水量別に色を提示し、西経100度と年間降水量500mmの境界線の重なりを確認する。・西経100度を境に東側に農業地域の多くが広がることを確認。東側の地域を、南部から農業区分ごとに示していく。・デジタル教科書資料1と2、センターピボットの動画で大規模な農業の一例を示す。写真1のコロラド州を資料4の地図中に当てはめ、地図帳や教科書で降水量500mmより少ないところに位置することを確認する。・インターネットでGoogle Earthやストリートビューに繋げて、センターピボットを確認させる。その際、日本語でも検索可能だが東隣の「ネブラスカ州オガララ」で検索した方が広域で行われており、容易に発見できる。 ・資料3のグラフから農畜産物の生産・輸出の状況を確認する。・ウクライナ情勢を踏まえ、小麦の生産・輸出国の上位に、ロシアとともにウクライナがあることも指摘したい。 地理の学習は知らない土地や人々、自然に対する好奇心を芽生えさせます。そのためには事象を俯瞰し、事項を繋ぎ合わせて理解を深めていきます。教科書も紙からデジタルへと進化し、世の中は映像をはじめとするたくさんの情報に満ち溢れています。 歴史と異なり、地理の学習内容の多くは「いま」を扱います。デジタル教科書のテキストや資料、コンテンツに加えて、地理院地図やGoogle Earthなども活用し、いまの暮らしや動きが見えてくるように授業展開を図りたいところです。 日本の約25倍の面積をもち、多様な自然環境を生かした生産で世界の食料庫ともいわれるアメリカ合衆国。生産地の条件を生かした適地適作の様子を農業区分の地図を用いながら、消費地である主な大都市と関連づけて立地に気づかせていきます。また、生産地の一例として写真や動画(ここではNHK for Schoolのセンターピボット)を提示することで、具体的なイメージを定着させることができます。併せて輸出量のグラフから、世界におけるアメリカ合衆国の位置づけとその影響力を同時に考えていきます。はじめに本時の授業展開例(第2章 世界の諸地域 4北アメリカ州「②世界の食料庫」:p.96-97)授業実践例 北アメリカ「世界の食料庫」好奇心をくすぐり、資料とインターネット情報の上手な活用を!東京都桐朋女子中学校・高等学校教諭 内ない藤とう 芳よし宏ひろ社会

元のページ  ../index.html#10

このブックを見る