輝いて生きるための自分デザイン教科の視点英語ー 特集の視点教科❶わからなかったことなどを聞き返したりしながら❷社会的な話題であっても、準備をすれば考えたこと 『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語編』における〔思考力、判断力、表現力等〕の「(3)言語活動及び言語の働きに関する事項」のエ:話すこと[やり取り](イ)では「日常的な話題について、伝えようとする内容を整理し、自分で作成したメモなどを活用しながら相手と口頭で伝え合う活動」が求められています。 『ONE WORLD English Course 3』のProject 3 「ディベートをしよう!~Boxed Lunches vs. School Lunches~」は、中学3年生の12月頃に扱う題材です。中学校のゴールが近い時期であることを考えると、教科書の後見返しにある「Can-Do 自己チェックリスト」から、話すこと[やり取り]の2つのゴールを意識しなければなりません。 ディベートを通して、題材をさまざまな視点から論理的に考え、解決方法を探り、相手の意見を受け入れながらも、根拠をもとに自分の意見を伝えることのできるコミュニケーション力の育成につなげます。 ディベートは、母語を使ってもハードルが高いコミュニケーション活動の1つです。中学校現場での主な課題である、次のような悩みを抱える先生は少なくありません。 そこで、この2点に絞り、解決のための授業の工夫を紹介します。図1 ジグソー法のグループ構成例 はじめに個々人で教科書Project 3(p.90)の証拠資料を読み、1人1台端末を活用して、さらに情報を得て理解した後にグループが決定したら、以下のディベートを実施するまでの活動手順を説明します。会話を続けることができる。や感じたことなどを述べ合うことができる。(1)個人差があり、教室内でどのように取り組めばよいのでしょうか?(2)用意した原稿を読み上げているだけになっています。どうしたらよいのでしょう?18はじめにディベートを行う上での課題学びのスキルと形態の工夫(1)ジグソー法で 「助け合い、支え合う学び」 学習者の不安を取り除き、協働的な学びを促進することのできる「ジグソー法」を用います。この指導方法は、テーマや課題について、役割分担をして調べ学習を行い、自分が調べた内容を教え合います。この学びのスタイルでは、学習者が問題について考え、他の学習者と話し合いながら主体的・協働的に学習することができるので、ディベートを教室内で実践するには有効の手法と考えます。具体的な実践方法を紹介します。 「ジグソー法」は2つの違う形態のグループを構成して学び合う方法です。例えば、教室内に36人の学習者がいるとします。まず、学級を6つの6人組みのグループに分け、これを「ホームグループ」と呼びます。このグループは、名前のとおり学習者が所属するグループ、つまり親グループです。次に各グループの構成メンバーに、AからFまでの記号をふります。同じ記号をふられた学習者どうし6人を集めたグループを「エクスパートグループ」と呼びます。「ホームグループ」で役割分担された課題を同じ学習者どうしが集まって助け合うことで、その専門的内容について深い知識と技能を養うことができます。次の図1をご参照ください。発信力を高める必要な学びのスキルと形態の工夫〜「協働的な学び」でディベートに挑む!〜千葉県旭市教育委員会 外国語教育アドバイザー 加か瀬せ 政まさ美み英語
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