輝いて生きるための自分デザイン教科の視点 英語特集❸助けあって、表現技能を高めていく。❷相手の質問や攻撃を予想して、チーム(肯定派/【手順】(1時間扱い)1st Stage:ホームグループ(10分)❶テーマを示す。 肯定派と否定派のチームを決める。❷各派の「立論」、「質疑応答」、「攻撃」、「最終」 のそれぞれの役割分担を決める。❸主張するスピーチのポイントを絞り、発言したい2nd Stage:エクスパートグループ(15分)❶主張するポイントを共有する。❷英語でどのように主張するのか、話し合う。3rd Stage:ホームグループ(20分)❶エクスパートグループで得た知識や表現方法をお図2 メモシート【引用文献・参考文献】①文部科学省:『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語編』(2017)②E. Aronsonほか共著:『ジグソー法ってなに?みんなが協同する授業』丸善プラネット(2016) ふだんから、経験値のある身近な価値論題(異なる価値観同士を比べて討論する論題)を母語で議論させておくこともこのディベート学習に有効に働きます。例えば、「そばとうどん、来日した外国人に勧めるとしたらどっち?」です。生徒がこう答えるとします。「私はそばを勧めます。理由は2つあります。1つは、そばは、栄養価が高くビタミンが豊富です。もう1つは、ルチンという成分があり、血管を強化します。ゆえに私は、そばを勧めます。」のような主張です。その主張が出たら、指導者は「栄養価とは具体的に何ですか。」のように深く尋ねるようにします。生徒も追求されることを予測して、事前に準備しておく習慣を徐々に身につけられます。ある程度、慣れてきたら、「それ、外国人に勧めるんだから、英語にしてみようか。」と指導者が切り替えます。この瞬時の対応訓練が、即興性を育成します。また、「母語で話したいことをまとめる」という習慣が論理的思考を育てます。そうしたなかで、「こう言いたいのだから、この英語の表現が使えるのではないか。」「先生、英語って、物が主語になる場合が多いんですね。」「そうだね。だから人を動かすような動詞の働きも必要でしょ。」こんなやり取りができる学びの環境を育てたいものです。19内容のメモを作る。教科書のp.85、86、88のUseful Expressionsを活用する。互いに紹介する。否定派)としての意見をまとめる。❸英語を用いて、チーム内でリハーサルを行う。❹省察的に振り返る。改善点を話し合う。❺❹で修正した内容を踏まえて、再リハーサルを行う。❻自分の分担箇所を再度、相手が聞きやすくなるように最終調整する。おわりに(2)キーワードのメモを活用する 発表の準備として、自分の言うセリフを書かせている授業をよく見かけます。しかし、ここで伸ばしたいのは書く技能ではなく、話す技能です。また、原稿を暗記するのではなく、話すこと[やり取り]の補助としてメモを活用する経験をふだんから積ませることが大事です。図2は、Project 3で活用できるメモシート例です。ー教育出版のウェブサイトで、加瀬政美先生による連載が始まります! 第1回のテーマは「ディベート」。この記事の続きで、授業内でディベートを実践する際に役立つアイディアをご提案いただいています。ぜひご覧ください。
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