教育情報誌 学びのチカラ e-na!! vol.6 (中学校版)
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学びを「自分ごと」として捉えることの大切さ27 今までは答えがあり、その答えをしっかり学んでいくという教育が中心でした。それがこれからは「答えを探す」教育に変わってくるんだろうと思います。つまり、答えのないものでも納得解を求めてみんなで力を合わせて学んでいくような、そういう学びに変わってくるんだろうと思います。学びの形態でいうと、先生がいて、教科書が中心になった授業から、学習者が主体になった学びに変わってくるんだろうと思います。知識の伝達から、学びを通じて子どもたち自身の変容が求められるように変わるのだと思います。 子どもたちの行動変容を起こす学びが「深い学び」というふうに考えましょう。知っているけどやらないよ、というのは「深い学び」じゃないと思います。「自分ごと」としていろいろな問題を捉えて、そのことについて自分なりに学んで、アクションを起こせるということが大事だと思います。そしてその学びを通じて、自分のあり方、生き方を実現していけるかどうか、というところに学びの価値があると思います。 教科書は、課題例や解答例を示していますね。それは主体的な学びをどう進めていいのかわからない子どもたちにとってはいいサンプルになると思います。ただ、そのサンプルしか味わわない学びでは、子どもにとっては寂しいですよね。その学び方を例にしながら、自分たちにとっては、何が知りたいことなのか、ということを明確にしていきながら、一つ一つ進めていく。ここでは、みんなで問題意識を出し合うとか、順番を決めて調べていくとか、調べるにはどんなてだてがあるのか、ということの参考にするのです。 その他にも、話し合いの仕方、作品にまとめる方法など、教科書にはいろいろな学びの進め方が載っています。例も一通りではなく、単元ごとに多様な例が示されているので、それをうまく活用していけばよいのです。ただ、それをなぞるだけの学びはやめたほうがよいのではないかと思います。 小学校だと1人の先生がほぼ全ての教科を指導する場合が多いですが、中学校になるとそれぞれに専令和7年度版中学校教科書で「SDGsとESDに関する校閲」を担当された、手島利夫先生にお話を伺いました。教育が節目を迎えているとよくいわれますが、今までの教育とこれからの教育がどのように異なるか、どのように変わっていくか、ということについて、先生のお考えをお聞かせください。学びが「自分ごと」になることと「教科書」との関係についてお聞かせください。中学校のカリキュラムを考えるうえで、小学校と異なる点はありますか?学びを「自分ごと」として捉えることの大切さ―「考える時間」を     楽しむ授業とは―

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