教育情報誌 学びのチカラ e-na!! vol.6 (中学校版)
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学びを「自分ごと」として捉えることの大切さ29本資料は、一般社団法人教科書協会が定めた「教科書発行者行動規範」に則っています。Profile手島 利夫 てじま としお1952年東京都生まれ。日本持続発展教育推進フォーラム理事、前日本ESD学会副会長。博報賞(教育活性化部門2013)、ユネスコスクール/ESD推進功労賞・日本ユネスコ国内委員会会長賞(2018)受賞。江東区立東雲小学校、八名川小学校の校長として、ESDカレンダーの開発、ESDの推進に努め、両校ともにユネスコスクール・ESD大賞を受賞。現在は、ESD・SDGsを中心とした講演、授業提供を年間70回以上こなしている。著書に『学校発・ESDの学び』(教育出版 2017)など。教育出版教科書で、SDGsとESDに関する校閲を担当。 それから、社会科(公民)の最後のところでも末吉里花さんが登場しています。つまり、全部がばらばらではなく、教科を越えていろいろなところに工夫があって、SDGs時代の学びがさまざまな仕掛けで組み込まれている。すばらしいことだと感謝しています。 そうですね。知識をただ詰め込んでいくだけの学習では、子どもの問題意識や意欲や学びたいっていう思いなどは生まれにくいんです。やりたくないものを、言われたから仕方がなく勉強していても力はつきません。だけど、これおもしろいな、勉強ってこういう楽しいことがたくさんあるんだな、仲間から学ぶことって、こんなに価値があるんだな、ということを感じた子どもたちは、ほかの問題に対しても意欲的になりますし、ここで学んできたことがこっちでも生かせるということになれば、学ぶ意欲は高まっていくのです。そのことが子どもたちのこれからの生き方につながるわけです。 そこがなかったら子どもの変容はありえないわけです。だから、自分が調べたい、学びたい、となることこそが価値のある生き方につながってくるのだと思います。 誰にとってもまだ答えが見つかってない問題、けれども重要な問題というものに向き合うと、教師も一緒に考えて一緒に学びを進めていくという立場に変わっていきます。先生がたもこの教科書をうまく生かして、自分の教え方のスタイルをどんどん変えていってほしいと願っています。 学習指導要領の前文と総則には「持続可能な社会の創り手の育成」が掲げられています。その言葉に向かって、子どもたちの学び、教室の中の学びが変わっていってほしい。そこに役に立つ教科書ができたということはありがたい。これをみんなで活用しようよっていうことだと思います。 教育出版の教科書には、他者と関わり、ともに学び、成長しましょうというメッセージが込められています。「未来への窓」の向こうにある新しい世界を、子どもたちに見せてあげたいですね。学びが変わっていきそうですね。最後に読者へのメッセージをお願いします。

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