「考える時間」を楽しむ授業デザイン教科の視点 国語ー7特集・描写に注目し、人物の気持ちの変化や時間の流れをつかみ、話を頭でイメージしながら楽しく読んでいきたいです。・人物の心情はもちろん、人柄やどこで場面が展開されたかなどを考えたい。また、文章の構成なども考えたい。・内容を楽しむだけではなく、文章の言葉のおもしろさ、深さを楽しむ国語的な楽しさを味わいながら読みたいと思います。・同じ場面でも少しの変化で捉え方がガラッと変わることがわかったので、これからは描写やセリフについて詳しく読んでいきたいです。生徒の振り返りの記述 2時間めではグループに分かれ、前時に得られた感想の違いについて話し合う時間を設けました。話し合い活動は、最初の3分程度で前時の確認と本時のねらいを伝え、残りの時間は生徒の活動となるように留意しました。前時の授業でAとBの文章の違いに気づいた生徒たちが、話し合いへの意欲を発揮できる場をより多く確保することを意識しました。 本学級は学力や学習意欲によるグループ分けをしていないので、話し合いの様子には差が生まれます。そこで、教師は全てのグループを回り、助言を行いました。生徒の活動時間を確保することで、教師の個別指導の時間を生み出すことができ、よりこまやかに生徒の話を聞くことができました。 3時間めでは、グループで考えた内容について交生徒が記述した話し合いのまとめ流を行いました。交流では、「倉橋君の回想があることで、発言の重さが変わってくる。そのため、倉橋君の人物像が変わってくるのだと思った。」「内容はほとんど同じだけれど、作品全体の雰囲気が変わってくる。情景描写があることによって、心情描写から受ける印象も変わることがわかった。」といった発言が多くみられました。 交流の後に、単元の最初に考えた「なぜ言葉や描写に注目して読むのだろう。」という課題について自分の考えを書くように指導しました。 国語は、単元で学習したことが生徒にとってわかりづらい教科であると考えています。そのため、単元の最初と同じ課題にそって自分の考えをまとめる時間をとることにより、生徒自身が本単元で学習したことを自覚できるように留意しています。 学習を終えて、生徒たちからは以下のような記述がみられました。 文学的文章を読むときの資質・能力を生徒自身が自覚したり、言葉や描写だけではなく、文章全体と部分との関係についても考えが広がったりしている生徒の様子がみられました。 本単元は、生徒が自ら学び、考える時間を楽しむことができるように授業を計画したことで、生徒たちが話し合いにすすんで取り組むことができていました。今後は、国語科で学習したことを他の教科に活用したり、読書生活につなげたりすることができるように、引き続き、授業実践を続けていきたいと考えています。実践のポイント②感想の違いを言葉や描写に注目しながら考える(2時間め)実践のポイント③学習したことを他の学習活動や読書活動にどのように活用するか考える(3時間め)学習を振り返って
元のページ ../index.html#7