②③7国語教科の視点ど)の朗読音声を、どのようなよさや工夫があるのかについて注意しながら鑑賞させることで、学習者は、そのよさや工夫を施すためには、古文の音読に慣れ、物語内容を解釈する必要があることに気づくはずです。【参考文献】・菊野雅之:『古典教育をオーバーホールする-国語教育史研究と 教材研究の視点からー』文学通信(2022)【引用文献】①令和3年度版『伝え合う言葉 中学国語1』(教育出版)p.112②令和3年度版『伝え合う言葉 中学国語2』(教育出版)p.123③令和7年度版『伝え合う言葉 中学国語2』(教育出版)p.125なぜこんな悲惨なできごとが起こってしまったのだろう? 少し発展的な見通しをもつのであれば、『敦盛の最期』のその後の物語を紹介することも考えられます。『平家物語』の諸本である延えん慶ぎょう本ぼんや『源平盛衰記』には、敦盛の首とともに直実からの手紙が、敦盛の父親である経盛に送り届けられる場面が描かれています。この「その後」を紹介することで、「なぜこんな悲惨なできごとが起こったのか」という問いが自然と立ち上がってくることになります。この空白に入る一字は? 和歌の学習では、和歌の一部を空白にし、それ以外の表現からその空白を埋める一字を考えるクイズのような活動を導入に入れてみてはどうでしょうか。「□過ぎて□来たるらし白たへの衣干したり天の香具山」といった具合です。□に連続した四季のいずれかが入ることを説明したうえで、この空白を埋めるためには「白たへの衣干したり天の香具山」がどのような情景を表しているのか、その描写の効果を考えることが必要だと説明します。このような工夫によって、和歌の描写そのものを読む活動を促すことができます。もちろんさまざまな解釈がありえますので、秋冬、冬春といった解答も学習者から出てくるかもしれません。その根拠や解釈についても認めながら、表現を解釈し、共有・議論する楽しさそのものを感じさせ、韻文の解釈の幅の広さとともに確かな解釈についても学ぶ教室にしたいものです。第3学年『和歌の調べ -万葉集・古今和歌集・新古今和歌集-』
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