書写教科の視点 持ち方が整ったら、次はどう書くかです。筆圧のかけ方で線の太さが変わることは教科書に示されています。大切なのは紙面に対して、やや垂直に力をかけることです。筆圧のかけ方で、筆の毛が開き、線の太さが決まります。 鉛筆であれば線の太さ、鉛筆の跡の濃さが変わるはずです。中学生であっても発達段階によっては、筆圧が弱い生徒には、鉛筆をおすすめします。シャープペンシルは筆圧をかけすぎると芯が折れるため、紙面をなでるように書かなければならない特性があります。なでるように書くとすいすいと書けるので、速書きに適している点はよいかもしれませんが、「書く」という意識が醸成されにくい点は注意が必要です。詳しい解説動画はこちら。詳しい解説動画はこちら。 「点画」とは文字を構成する要素です。基本点画は「横画、縦画、折れ(転折)、左払い、右払い、右上払い、点、そり、曲がり」の九つがあります。行書の点画の様子は「点画の方向や形の変化」「筆順の変化」「点画の連続や省略」「丸みを帯びる」といというように変わります。理由は、書く時の筆記具の傾け方や筆圧のかけ方が変わるためです。詳しい解説動画はこちら。詳しい解説動画はこちら。 学習指導要領では、育成すべき資質・能力の三つの柱の一つとして、知識・技能の習得を生徒たちが目ざす構成になっています。身につけた知識を忘れたり勘違いしたりすることがあると思います。同じように技能についても、できたことができなくなることを繰り返すと思います。学習が一直線に進むのではなく、進んだり、止まったり、戻ったりするということです。先生がたも生徒の皆さんも焦らず、小学校の基礎・基本を確認して、筆記具の持ち方や筆記具の特性を理解したうえで試行していただきたいと思います。 この機会にお伝えしたかったことは、「知識としてわかったことが技能的に反映できるようになると、学習に対する手ごたえにつながるはずだ」ということです。書写は成果物のみを判断しがちですが、そこに至った過程(運動)を観察してほしいと思っています。例えば、生徒が互いに撮影をし合って、書く過程を振り返ることも有効かと思います。文字の巧拙のみに目を向けるのではなく、書くという運動をとおして、書写に興味をもつ生徒が育ってくれることを心から願っています。9ポイント紙面に対して、やや垂直に力を入れます。筆圧と筆記具の特性筆圧と筆記具の特性点画の書き方点画の書き方「わかる」と「できる」がつながるように「わかる」と「できる」がつながるように
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