木亜紀子あきこのぎ435Nコンの課題曲(高等学校の部)を作曲されていたときにお考えになっていたことや感じていたことをお聞かせください。Profile 兵庫県芦屋市出身。兵庫県立西宮高等学校音楽科、東京藝術大学音楽学部作曲科を経て、同大学院修士課程修了。器楽、合唱の作編曲を幅広く手がけ、『日本の四季めぐり』『いのち』など多くの合唱作品が出版されている。教育出版の音楽の教科書(中学)に自作曲「光の道」掲載。第92回NHK全国学校音楽コンクール(Nコン2025)高等学校の部の課題曲を作曲。「春のてのひら」(女声二部および混声三部)と「光の道」の販売は本誌p.35〈かわら版〉でご案内しています。「春のてのひら」(混声三部版)の教育出版ウェブサイトにて公開中!モデル演奏はなにやらゆかし合唱団。横浜関内ホール リハーサル室にて収録。名田綾子先生による合唱セミナー動画を、 私は、特定の合唱団に入ったり合唱コンクールに毎年出たりする人生ではなかったのですが、大人になってからふとしたご縁で合唱曲を書くようになりました。そしてNコンで自分の曲が自由曲として演奏されたり審査員を務めたりする中で、「Nコン課題曲」という 「春のてのひら」は私自身とても好きな作品です。もともと女声二部版でイメージがピッタリはまっていたのですが、若い世代のみなさんが混声三部の形で歌うのもまた違うよさがあるというのが今回新たな発見でした。「春」という、希望や不安、出会いと別れなどさまざまな機微が入り混じる繊細な季節に、寄り添いながらそっと背中を押してくれるような 1 曲になったらうれしいです。今回新たに加わった男声パートはのびのび気持ちよく歌ってもらえたらと思います。中盤の、フラット系からシャープ系への転調が 1 つ印象的なポイントかなと思います。ハーモニーの変化で、風景や色彩が美しく変化していくように、ぜひ想像を膨らませながら演奏してください。ものの存在の大きさ・価値の尊さを感じ、いつか自分も書けたら…と憧れを抱くようになりました。ありがたいことに今回機会をいただき、自分の手の中にある音楽が、全国の高校生に歌われるのかという、夢と責任の大きさをひしひしと感じながらも、思いきり楽 一人で歌うのも楽しいですが、誰かと声を合わせる喜びは合唱の魅力だと思います。合わさった声、響きあった声を感じたとき、耳が、そして心が幸せですよね。私は人と音楽をともに作っていくアンサンブルが大好きなのしんで「惑星そぞろ」を書ききることができました。気鋭の脚本家である野さんの詞がすばらしく、生徒の皆さんが共感できる部分や思考が深まるような部分もあると思いますので、今を生きる皆さんのみずみずしい演奏を楽しみに、味わいつくしたいと思います。で、合唱はアンサンブルの根源であり、知れば知るほど奥深くすばらしい世界だなと思います。私自身まだまだ合唱の魅力を探求していきたいなと思いますし、合唱によって人生が豊かになる人が増えたらよいなと思います。名田綾子今回新たに発売される「春のてのひら」(混声三部合唱版)についてお聞かせください。名田先生が考える「合唱の魅力」とは?合唱セミナー動画公開中!
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