教育情報誌 学びのチカラ e-na!! vol.9 (中学校版)
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健点置□□児朗□□□□□□ 気持ちを表す語彙の活用の状況から「今の言葉、こんな気持ちを伝えたいということかな?」と考えたり、「この行動気になるな。何かあったのかな?」と背景要因へ注目したり、視線やうなずきから「今、何か伝えたいことがあるのではないかな?」と見取ったりすることが大切です。 道徳的諸価値を子どもなりに捉え、イメージできるようにしましょう。右のようなイラストで提示したり、「よいことをすると気持ちがよい。悪いことをすると、もやもやしたり、ドキドキしたりする。」などの道徳的心情をわかりやすく考えられるように授業を工夫したりすることが考えられます。 私は、これまで知的障がいや病弱、聴覚障がいの特別支援学校の小学部、中学部、高等部においてさまざまな経験を積んできました。これまで関わった子どもたちは気持ちの表出の難しさ、気持ちに見合う語彙力の不足などが見られました。気持ちや考えを把握するための試行錯誤を通して、「なるほど! この気持ちを伝えたかったのか!」と日々学んでいます。子どもの本質的な気持ちや考えを知ることは、日常生活やふだんの関わりづくりでも大切にしています。 言葉、発声、視線、ジェスチャー、手話など、その子どもなりの表出・表現方法があります。日常から多様な見方・考え方を意識して関わるなかで、さまざまな気持ちや考えの表出などに気づくことができます。そうして関わりを深めることが、子どもの「受け止めてもらえた」という安心感へとつながっていきます。H I O K I ʼ s A D V I C E! 考えることやすることを具体的に提示して、子ども自身も授業の見通しをもつことができるようにすることで、意欲につなげていくことができます。簡潔でわかりやすい言葉やイラストなどを用いて伝えることを意識しましょう。H I O K I ʼ s A D V I C E! 道徳科においても、多様な特性や発達段階に応じた個別最適な学びを深め、子ども自身が自分のこととして捉え、見つめ直す機会を設けることは大切です。ポイントとしては、個別に実態を把握し、ユニバーサルデザインの視点で配慮や支援をすることがあげられます。今回は、先生がたも楽しみながら子どもとともに創り合える授業づくりのポイントをご紹介します。24ポイント 1ポイント 2教 科 の視道 徳言葉で気持ちや考えを説明できる熊本県立熊本聾学校教諭 日実態把握をしましょうともに授業の見通しをもち、確認しましょう言葉やイラストから選択できる表情やジェスチャー等で感情を表出できるともに楽しむ! ともに創る!インクルーシブな道徳授業づくり

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