4人間がゆっくり考える時間をAIに作ってもらう学校現場における生成 AIの利用について(文部科学省)栗原 それは、現在の生成 AIが人間によって作られたものではなく、「人間からできている」ところでしょう。Chat GPTのような生成 AIは、従来の電卓やパソコンとは異なり、人間が書いた文章や言葉から学習しています。AIの出力は膨大な言語モデルの学習に基づいており、次に現れる可能性の最も高い言語の組み合わせを予測する原理で動作していますが、非常に複雑です。AIが学習する単語の関係性は、数千語離れた単語の関係性まで網羅しており、これは言語を完全に理解していることに等しいんです。人間が AIと対話する際に、AIをあたかも意思をもった存在のように感じてしまうのは、人間が言語を操る唯一の存在であるという本能的な部分に反応しているんだと思います。していくべきでしょうか。栗原 答えはきわめてシンプルです。今まで以上に「一人の人間として」子どもたちと向き合ってください。子どもたちにとって、特に初等教育の間は認知能力や社会性の基礎を身につけていく、とても大切な期間です。GIGAスクール構想によって子どもたちには 1 人 1 台の端末が配付されていますが、電子機器は視聴覚情報が中心です。五感をフル活用することの必要性を忘れてはいけません。 その時間を確保するためにICTや、生成 AI、つまり「道具としての AI」は大いに活用してほしいですね。人間がゆっくり考える時間をAIに作ってもらうということです。管理職やベテランの先生がたには、もしAIにネガティブなイメージがあれば取り払って、ぜひ広い視野で業務改善を行っていただきたいと思います。子どもたちにとって先生との人間的な関わりはこれからも変わらず、自分自身とは何か、他人とは何かを考える貴重な経験となるでしょう。「一人の人間として」子どもたちと 向き合ってーAI時代に、学校の先生がたはどのように子どもたちに接ーAIはこれまでのテクノロジーと何が違うのでしょうか。AIは人間からできている
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