「Indy」「かまって『ひろちゃん』」未来館のシンボル展示「ジオ・コスモス」 東京都江東区にある日本科学未来館は、科学技術への理解を深めるための拠点として開館した国立の科学館です。デジタル技術や ICTも科学技術の一つですが、ここでは、最新の科学技術に触れ、さまざまな体験をとおした学びができます。また、「探究学習プログラム」の提案もされており、子どもが探究学習に取り組む場所として注目されています。 この展示では、ロボットとの触れあいや、最新ロボティクス研究の紹介をとおして、未来の多様なロボットとの暮らしを想像することができます。 「Indy(インディ)」は、さりげなく気を利かせながら、人と一緒に暮らすことを目ざして開発されているパートナーロボットです。マイクで認識した発話や、カメラで認識した人の動き、持ち物などの情報を組み合わせて、人の意図をAIによって推定し、それに合わせた動作をします。 また、ロボットと人間が親しい関係性を構築するために、安心・安全に触れあえるロボットも研究・開発されています。・ロボット研究が進んでどんどん便利な社会になるけれど、逆に困ることもあるかもしれない。・これまでロボットはなんとなく冷たいイメージだったけれど、かわいいと思った。探究学習において、特に難しいと言われる「課題の設定」。このプログラムでは、その初めの段階として、未来館での「探検」という新たなアプローチを提案しています。今回は、おすすめの展示について、どのようなデジタル技術に触れられるのか、そして、「探検」をとおして、どのような探究学習の「課題の設定」をすることができるか、取材を行いました。その中のひとつ、「かまって『ひろちゃん』」は、赤ちゃん型のロボットをあやすことによって、あやす側に癒やしの効果が得られることを目的とした、ヒーリングコミュニケーションデバイスです。抱っこされたときの動きを検知する加速度センサーが搭載されており、センサーの検出値により発話内容や機嫌が変化します。 ロボットには、実に多様な最先端のデジタル技術や ICTが使用されていますが、それだけでなく、工学、認知科学、社会学や哲学といったさまざまな学問分野が融合して成り立っています。ロボットという切り口から、子どもの興味・関心によって多様な学びが広がるのではないでしょうか。・自分専用のロボットがいたらどんなことができるか。メリットとデメリットは何か。・人が愛着を感じるロボットにするための工夫。・ロボットと人間の理想的な関係。6広がる探究学習取材協力・画像提供:日本科学未来館 取材:ICT 事業本部はじめに未来館を「探検」ハロー! ロボット課題の設定子どもの気づき・感想日本科学未来館をリポート― 最先端のデジタル技術がつまった科学館で、
元のページ ../index.html#6