座奏と立奏
クラシック・ギターはフォーム(構え方)が大切です。あまり高くない椅子に腰かけ、左足を足台に乗せ膝の位置を高くし、左足のももの上にギターのボディのくびれ部分を乗せます。このように構えて、ネックの角度が床に対して45度前後になるのが正しいフォームとされています。両手のほぼすべての指を極限まで使いこなすクラシック・ギターでは、このやり方が一番理に適っているようです。足台を使わず、ギターレストという器具をギターのボディに付ける方法もあります。
フラメンコ・ギターでは、右足の足首を左足の膝に乗せるように組み、組んだ右足にギターを乗せるフォームが一般的です。このフォームだとネックが床と平行に近い角度になり、右手の激しい動きが多いフラメンコの奏法に適しています。同じ姿勢になるよう、右足を足台に乗せることもあります。フォーク・ギターを使うギタリストの多くが、座奏時にはこのフォームで弾くことが多いのも、右手の大きな動きでリズムを刻むことが多いからでしょう。
座奏が主流のクラシック・ギターに対して、フォーク・ギターでは立奏も多く、この場合は専用のストラップを使います。ボディの最下部に打たれたピンにストラップの一方を付けて、もう一方はボディとネックの接合部付近に取り付けますが、こちら側にはピンがないギターも多く、その場合はストラップをヘッドの付け根にひもで縛りつけます。エレクトリック・ギターではほとんど例外なく両側ともピンが付けられています。
立奏がほとんど行われないクラシック・ギターでは、一部の例外を除いてストラップ・ピンは付いていません。クラシック・ギターを使うラテン音楽奏者や日本の演歌師が立奏を行うときは、サウンド・ホールに引っかけて首からギターを吊るす、ラテン・ストラップという器具を使うことがあります。しかし、これはフォーク・ギターやエレクトリック・ギターの方式にくらべると不安定であるため、あまり普及していません。両手を離すと楽器が落下してしまいますから、注意が必要です。
⇨いろいろな奏法