愛知版


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春の野草(第1部)


セイヨウタンポポ

スミレ

ノビル

チガヤ

セイヨウカラシナ

コメツブツメクサ


ホトケノザ

コバンソウ

キジムシロ

ノアザミ

ワラビ

ハハコグサ


 
セイヨウタンポポ
 タンポポの日本種にはカントウタンポポやカンサイタンポポなどがありますが,最近は,セイヨウタンポポがひじょうに多く見られるようになりました。これは,明治時代に食用に栽培したものが野生化し,全国に広がったものです。ヨーロッパではサラダとして食用にしますが,食べてみると苦みが強いです。昔から,子どもたちは,茎を折ってピーピーと笛のかわりに鳴らしてよく遊んでいます。

 
スミレ
 日本全国に分布し,花が愛らしいので昔から春の野の花として親しまれています。私たちの身近には,スミレ,コスミレ,ヒメスミレ,タチツボスミレ,フモトスミレなどが普通 に見られますが,スミレの種類は多く,日本には60〜70種類もあります。
 図鑑をもって春の野山に出て,自分で調べてみてください。

 
ノビル
 日当たりのよい原野の土手や道ばたに生えています。
 春の摘み草の対象としてよく知られている植物で,傷をつけるとニラのにおいがします。
 地下に白い丸い球根があり,からくて強い味をもっています。
 ノビルとは野に生えるヒルという意味です。ヒルとはネギ,ニンニク,ラッキョウなど独特の臭気をもつものをいいます。生でかむとヒリヒリと舌を刺激するのでヒルというようになったと思われます。

 
チガヤ
 道ばたや堤防のあちらこちらに生育し,5月ごろに白い穂が群がって出始めます。
 花が咲く直前の若い穂をツバナとよび,かんでみると少し甘味があります。
 子どものころ両手いっぱいにこの穂をつんで,かんだことは今では遠い昔の思い出です。

 
セイヨウカラシナ
 昔は,秋には川の土手にススキが群生していましたが,今日では黄色の花をつけたセイタカアワダチソウが土手一面 に群生するようになりました。
 同じように,春の土手にはセイヨウカラシナが黄色の花を咲かせて群生するのをよく見かけるようになりました。
 アブラナ(菜の花)と同じ仲間で,種子にはからみがあり,粉にしてからしを作ります。

 
コメツブツメクサ
 ヨーロッパ原産で,明治時代に渡来したと思われます。野原や校庭などによく群生しているのを見かけます。クローバーとしてよく知られているシロツメクサの仲間で,全体に小さく米粒のようなツメクサという意味で名前がつきました。花は黄色で春から夏に咲きます。

 
ホトケノザ
 春の七草の1つであるホトケノザとは違います。
 このホトケノザは,塔の形に何層も葉っぱの台座があり,その台座ごとに真紅の唇形花がいくつもつきます。原野や道ばたや畑などに普通 に見られれます。
 名前は葉が仏(ほとけ)がすわる円座に似ていることよりつけられたと思われます。

 
コバンソウ
 ヨーロッパ原産。明治時代に渡来し,観賞用に栽培され,ドライフラワーとして用いられました。現在,道ばたや土手に野生化しています。穂の形が小判に似ていることより名前がつきました。また,コバンソウより穂が小さく鈴なりについているものをヒメコバンソウと言います。ヒメコバンソウのほうが全国的に広く帰化しています。

 
キジムシロ
 原野の日当たりのよい斜面 などに生育しています。イチゴによく似た葉の形をしていますが,イチゴのような果 実はなりません。他にあまり花のない早春にウメ型の黄色の花をつけ,よく目立ちます。

 
ノアザミ
 春に咲くアザミはノアザミだけで,他のアザミはほとんど秋に咲きます。
 アザミ類の特徴は,葉の多くが羽状に裂け,へりに鋸歯(きょし)があり,その先に鋭い刺(とげ)があります。そして,ノアザミの特徴は花の下にある総苞(そうほう)が粘ります。

 
ワラビ
 楽しい春のワラビ狩り。さてどこへ行けばたくさん採れるかな。
 山地や丘陵地の日当たりのよい所を好む植物です。ワラビの若芽は木灰や重ソウであくぬ きをして調理します。ワラビモチにしてキナ粉をまぶして食べると大変おいしいです。
 ワラビの葉柄はワラビナワとして使われ,じょうぶなナワができます。

 
ハハコグサ
 春の七草の1つで,ゴギョウ,オギョウともいわれます。全体に綿毛につつまれていて,4〜5月ごろに,茎の先に黄色の粒々の花を多くつけます。
 今は草もちはヨモギで作りますが,昔はこの草で作りました。
 「葉っこ草」が転じてハハコグサとなったと思われます。



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