愛知版


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春の野草(第2部)


ミヤコグサ

オオバコ

オオイヌノフグリ

セリ

カラスノエンドウ

カラスビシャク


フキ

ニワゼキショウ

マメグンバイナズナ

ヒメオドリコソウ

ナズナ

カタバミ


 
ミヤコグサ
 川原の土手などの荒地に多く,高さ10cmぐらいになります。1本の柄に2個の黄色の蝶(ちょう)形の花をつけます。
 この名前は,昔,京都にあった大仏周辺にたくさん咲いていたことから名づけられたといわれます。別 名コガネバナは花の色が黄金色をしていることよりよばれたと思われます。

 
オオバコ
 オオバコは人がふみつけて通 るような道ばたによく見られる植物です。山のなかでも道に迷ったときはオオバコをさがしていけば里に出られると言われるくらいです。
 6月ごろ,葉の間から花茎をのばして先端に白色の穂状花をつけます。この花茎を用いて,相手と引き合って遊ぶことから,「すもう草」ともいいます。
 オオバコを「大葉子」と書くのは,大きな葉をつけるからです。

 
オオイヌノフグリ
 ペルシャ原産で,明治時代に日本に帰化し全国に広がりました。春早く,コバルト色のかわいい花を咲かせます。
 イヌノフグリとは「犬の陰嚢(いんのう)」の意味で,これは果実の形からついた名前です。
 最近は,外国から入ってきたオオイヌノフグリやタチイヌノフグリが多くなり,昔から日本に生育していたイヌノフグリが見られなくなりました。

 
セリ
 「セリ,ナズナ,…」と春の七草の筆頭にあげられており,日本全土の田のあぜや小川などの湿ったところに好んで生育しています。
 正月七日は春の七草を入れて七草がゆを食べ,1年間の健康を願う習慣が今日まで長く続いています。
 茎と葉に特有の香りがあります。

 
カラスノエンドウ
 全国各地の野原や路傍など至る所に生育している植物です。野菜のエンドウに似た実をつけ,子どもたちはこのさやをとって「ピーピー」と鳴らして遊びます。「シービービー」という俗称はこの音からつけられたと思われます。
 春に紅紫色の蝶(ちょう)形の花をつけますが,写真のように白色のものもまれに見られます。

 
カラスビシャク
 畑や路傍に普通 に見られ,春にマムシが長い鎌首をもち上げて長い舌を出しているような花をつけます。
 名前は,その花の形がヒシャクに似ていることよりつけられたものと思われます。

 
フキ
 丘陵地や山地の湿った場所に生育しています。また,栽培もされています。
 花期は2〜4月ごろで,つぼみの若いものは「フキノトウ」の名前でよばれよく知られています。
 みそあえや天ぷらにすると大変おいしいです。葉柄は煮物,あえ物にし,全国的に普通 に食べられています。

 
ニワゼキショウ
 北アメリカ原産で,明治時代に渡来し,今では運動場や道ばたなど広く生育しています。
 名前は,葉がセキショウに似ており,庭にはえるセキショウという意味です。
 アヤメ科の植物のうちでは最も小さく,5〜6月ごろに紅紫色の小さいかれんな花をつけます。花は一日花で,花が終わった後は小球形の実になります。

 
マメグンバイナズナ
 北米原産の帰化植物で,日本全土に広がり,道ばたに普通 に見られる雑草です。
 グンバイナズナと同じように,果実が相撲の行司がもつ軍配の形に似ており,果 実が小さいのでこの名前がつきました。

 
ヒメオドリコソウ
 ヨーロッパ原産で明治時代に渡来し,日本全国に広く帰化しています。
 葉面にこまかいしわが多く,着物のしぼりのような感じがします。草の上のほうの葉は赤みをおびているので,遠くからでもすぐにわかります。
 花がオドリコソウに似ており,小さいという意味で名前がついたと思われます。
 花期は3〜5月です。

 
ナズナ
 春の七草の1つであるナズナは田畑や道ばたに普通 に見られます。
 果実の形が三味線のばちに似ているので,三味線を弾いたときの音を連想して「ペンペン草」ともいいます。
 江戸時代には,正月の七草がゆばかりでなく,吸い物,あえ物,おひたしなどに利用され,庶民生活にとけこんでいたようです。

 
カタバミ
 畑や庭,石垣など日当たりのよい所に普通 に見られる雑草です。
 葉はクローバーのように小さい葉が3つ集まっており,かむと酸味があります。
 昔は,子どもたちはこの草をもんで銅貨をみがいて光らせて遊びました。別 名カガミグサともいわれ,昔の鏡は銅製で,その銅鏡を磨くのにカタバミのしるを用いたそうです。



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