農業の女神デメテルの姿を星座にしたものです。その証拠に星座絵では左手の先に麦の穂が描かれています。その穂のところにあるのが1等星スピカです。スピカは別 名「真珠星」と呼ばれるように、真っ白な星です。
 おとめ座はこのスピカのほかに明るい星がありません。そこで星座の形を探すのに少し苦労するかもしれません。ひしゃげた[Y]の字を探してみてください。すると、からす座を枕のようにして、やや寝そべった大きなおとめ座の姿を見つけ出せることでしょう。
 星が少なくてちょっとさびしい星空ですが、このおとめ座と隣りのしし座・かみのけ座の間の方向の空は、遠くの宇宙を探れる宇宙の窓なのです。というのも、夏の天の川や冬の星座の中を流れる淡い天の川は、私たちの住む銀河系宇宙を横から見たもので、遠くから来る星の光をさえぎる星雲などがたくさんあります。
 ところが、その方向とほぼ90度違うこの方向は星もまばらで、そして光をさえぎる星雲などがあまりない方向なのです。ですから、大きな望遠鏡で探すとたくさんの銀河が見つけられます。

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