夏の夜はそれほど寒くなく,しばらくの間,外にいてもそれほど苦にはなりません。夏の高気圧がどっかりと日本付近にある安定した晴れのときや,あるいは夕立が降ったあとの澄んだ夜空には,たくさんの星々がみなさんを待っています。蚊に刺されないように注意しながら,星見の旅へ出てみませんか。
 夏の夜8時半ごろ,東の空高くに3つの1等星(こと座のベガわし座のアルタイルはくちょう座のデネブ)を見つけて結んでみましょう。こうしてできる三角形を「夏の大三角」とよんでいます。この三角形は,都会の明るい空でも見つけられます。
 この夏の大三角あたりから,南のさそり座やいて座の方に向かって,天の川があります。この天の川は双眼鏡などで見てみると,無数の星の集まりであることがわかります。なぜこのようにたくさんの星が見えるのでしょうか。地球が属しているのは太陽系で,その太陽系が属しているのは大きな渦巻銀河です。わたしたちは,この銀河を中から横に眺めるため,たくさんの星が見えるのです。都会では町明かりなどのために見ることが難しくなったものの,夏休みなどを利用して,空の澄んだところに行くことがあったら,ぜひ眺めてみてください。
 この夏の大三角から,北極星を探してみましょう。探し方は簡単です。ベガとデネブを結ぶ線を軸にして,アルタイルの位 置をばたんと北の方に倒してみると,そのアルタイルの位置近くに北極星を見つけることができます。北極星が見つかったら,その西に北斗七星があるか探して確かめてみてください。
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