1937年神奈川県生まれ。東京大学 医学部卒業。博士(医学)。1995年に東京大学 医学部教授を退官、1996年より2003年 まで北里大学教授。東京大学名誉教授。 著書に『からだの見方』(筑摩書房)、『唯脳論』(青土社)、『バカの壁』(新潮社)、『養老孟司のデジタル昆虫図鑑』(日経BP社)、『逆さメガネで 覗いたニッポン』(PHP研究所)、 『遺言。』(新潮社) など多数。 理科の学習では、身のまわりの自然現象を対象にしていますが、人間にとっての自然は「意識によってつくられていないもの」といえます。 ところが現代において、人間の「意識によってつくられた」社会の中で生活していると、合理的な意識の世界にどっぷり浸かってしまい、みんなが同じような考えになりがちです。しかし、世界には、「意識によってつくられた」社会だけではなく、その外側に「意識によってつくられていないもの」、つまり、自然があることを知り、自然のもっているさまざまな違いを知ることが、とても大切です。 未来をひらく子どもたちには、意識によってつくられていない自然の中で、見つけた生き物をじっくり眺めたり、においを嗅いでみたり、聞こえてくる音に耳を澄ましたりして、そこからたくさんの不思議や面白いことを感じてほしい、そして、もっと自然と積極的に関わって、いろいろな違いを発見してもらいたいと思っています。監修者養老 孟司 (ようろう たけし)未来をひらく子どもたちへ
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