内容解説資料 せいかつ
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「学びに向かう力」を引き出します2いまは、わざわざ生きもの採取に行かなくても情報を集めることができます。でも実際に、生きものがいた場所にしゃがんで周りを見てみると、さあ、何が見えるでしょう。これまでもこれからも大切なのは、他者の眼になって見る、ということではないでしょうか。見方が変われば自分が変わる。学ぶってそういうことでしょう。教科書を閉じて、世界を見に駆け出したくなる、そんな教科書であることを願っています。これからの時代を生きる子どもたちには、常に学び続け、自分自身をアップデートする力が求められています。そのためには、自己調整学習の力を培っていくことが必要です。新しい教科書の特色は、自己調整学習の要素である「メタ認知力の育成」「学習方略の獲得」「学習への動機付け」にそれぞれ対応し、子どもたちに「学び続ける力」を育むことです。子どもたちに、諸感覚を通じた心ときめく瞬間が生まれることを願っています。感性と知性は本来一体的なもの。「おもしろそう」とつぶやく子どもの興味・関心は、やがて「どうなっているのかな」「なぜかな」という疑問を、さらに「やってみたい」「できるかな」という求めや迷いを生み出します。本来、主体的な学び手である子どもの意欲と挑戦を、どう見守り、支え、深めるか。その具体的な姿が見えるよう、多彩なアイデアが掲載できました。「生活科は難しい」という声を聞きます。でも、子どもの思いや願いのありかを見つけ、それがかなうように一緒に考え、活動する。最後には自分の成長を自覚できるようにする。それをとてもやりやすいのが生活科です。教科書には、子どもは活動のきっかけを、先生は子どもの思いや願いのありかを見つけるヒントがあります。そして、活動の中でどんな力がつくのか、未来を見通す力も育む一冊になったと思います。子どもたちが自分で考える場と機会を設けていますか。「自分で問い、考える力」を育てるためには、教師が十分に教材研究し、子どもとともに学びを創造しようとする構えが必要です。そのために、本書が大事にしている「学び方」を「見える化」することを具現化したいものです。そして、それぞれのページから思いを膨らませ、多くの方々と協働して子どもの学びを育てていきたいと考えています。子どもの学びで最も大切なことは、「学びとは何か」の理解です。自ら課題を見つけ、予想し、解決策を考え、挑戦し、結果を確認する。この繰り返しが、学びに主体性を生み、学びを楽しくさせます。楽しみは自己肯定感となり、他者への優しさや多様性の受容にもつながります。生活科はそんなきっかけを与えます。本書には「学び方」を自然に学べるしかけを盛り込みました。自分にも周囲にも関心を寄せられる人になるように願っています。子どもたちの学びにストーリーを持たせていますか。それぞれがストーリーを持つからこそ、気付きや感動があるのです。ときには失敗して悲しい思いをすることもあるでしょう。でも失敗はプロセスであって、結果ではないのです。生活科は失敗から学んでいける教科だと思います。子どもたちの「やりたい」という気持ちを大切にし、個性をより伸ばすことができるような教科書であればうれしいです。喜名朝博先生(国士舘大学教授)養老孟司先生(東京大学名誉教授)根本裕美先生(日本女子大学講師)小林宏己先生(早稲田大学教育・総合科学学術院教授 )藤井千惠子先生(元国士館大学教授)宮崎倉太郎先生(東京都武蔵野市立境南小学校校長 )池谷裕二先生(東京大学教授)子どもが本来もっている

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