「半オンデマンド型」オンライン授業の実践理科の視点教科東京学芸大学附属竹早中学校 金子 真也かねこしんや図1 Zoomによるオンライン授業の様子 本校では,5月末から授業等で「Zoom」と「ロイロノート・スクール(以下,ロイロノート)」を活用し始めました。Zoomでは,双方向型のオンライン授業を行うことができますが,机間指導を行うことができないため,個々の生徒の思考を把握することが困難です。一方,ロイロノートは,課題を配 本校では全ての理科の授業を理科室で行うことができます。授業の流れに合わせて実験や観察を行うことができるので,教師の説明から学ぶ授業ではなく,単元を通して探究的なストーリー性のある指導計画を作成し,生徒たちにじっくりと考えさせ,実験や観察の事実・結果から,自然科学の概念や法則を獲得させられる授業を心がけてきました。 ところが,コロナの影響により,本校も休校や分散登校とオンライン授業となり,一斉登校再開後の今もなお多くの制限がある授業が続いています。どの教科も,特別教室での授業は行わず,通常教室の距離をとった座席(試験のときのような座席)で授業を行っています。それまで,盛んに行われていたグループワークなども控え,座ったまま,前を向いたまま発言させるなどの「配慮」が続いています。 理科の授業も,理科室の使用を控え,全て通常教室で行っているので,生徒実験は行えません。演示実験にしても,実験を見せるために生徒を集めれば密になり,難しさがあります。割り切って授業を講義型に切り替えることも選択肢の一つだったかもしれませんが,私は自分で考え,友達の考えも聞きながら,最後は実験によって思考を進めていくこれまでの授業のスタイルを,コロナ禍においてもなんとか実現させることを考えました。 オンライン授業が始まってからまもなく,分散登校が始まりました。例えば,3年生は週に2回の登校,残りの3日間はオンライン授業となりました。分散登校が始まり,対面授業とオンライン授業とが入り混じる形になったことで,「制限下の対面授業とオンライン授業のどちらにも対応できる授業の追究」が必要となりました。当初の対面授業の難しさは,実験をやらせたり,見せたりすることが困難な状況に加え,通常の授業よりもはるかに短い1コマ30分という時間にありました。 そこで私は,対面の授業においてもロイロノートを使って事前に課題提示の動画を配信し,予想の提出までを授業前に行うことにしました。この方法を使えば,その分の時間(約15分程度)の短縮になるだけでなく,全ての生徒の予想にあらかじめ目を通信したり,提出させたりすることが可能ですが,オンライン授業の中でリアルタイムにすぐに返答を求めるようなやりとりには向いていないと感じました。しかし,この二つのツールをうまく使えば,私がこれまで対面型の授業で大切にしてきた「予想を立て」,「友達と議論して」,「実験で確かめる」形に近い理科の授業が実現できるのではないかと考えました。コロナ禍前後の学校の状況コロナ禍における理科の授業の模索休校期間中に導入された二つのツール分散登校によって生じたもう一つの課題コロナ禍における私の授業実践一斉登校は始まったけれど…成果と課題コロナ禍前後の学校の状況コロナ禍における理科の授業の模索休校期間中に導入された二つのツール分散登校によって生じたもう一つの課題コロナ禍における私の授業実践一斉登校は始まったけれど…成果と課題コロナ禍前後の学校の状況コロナ禍における理科の授業の模索休校期間中に導入された二つのツール分散登校によって生じたもう一つの課題コロナ禍における私の授業実践コロナ禍前後の学校の状況コロナ禍における理科の授業の模索休校期間中に導入された二つのツール分散登校によって生じたもう一つの課題コロナ禍における私の授業実践一斉登校は始まったけれど…成果と課題コロナ禍前後の学校の状況コロナ禍における理科の授業の模索休校期間中に導入された二つのツール分散登校によって生じたもう一つの課題コロナ禍における私の授業実践一斉登校は始まったけれど…成果と課題10 教科の視点 理科特集 コロナ禍を生きる
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