「中学教科通信」特別号 ウェブ版
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の視点教科筑波大学附属中学校教諭 小石沢 勝之休校中における授業支援クラウドを利用した数学科の授業の可能性数学こいしざわかつゆき 新型コロナウイルスの影響により,「学校の新しい生活様式」のもと,授業をはじめとした学校生活全般について従来とは異なる工夫や取組みが求められている。本事例では,本校の休校期間および分散登校期間における授業支援クラウドを利用した中学校数学の授業の可能性を検討する。 授業の実際について報告する。生徒が視聴する動画は,パワーポイントのプレゼンテーションを動画に変換したものであるため,学習が受け身になりがちになる。ロイロノートを利用して,生徒と教師,生徒と生徒のつながりを感じさせ,能動的な学習になるような工夫が必要である。例えば,中点連結定 本校では,4月末まではプリントや副教材,レポート課題が中心であった。5月以降は授業支援クラウドであるロイロノート・スクール(以下,ロイロ―ノート)を使用した学習支援を行い,各教科が指導計画および授業動画を作成した。生徒が自分で学習計画を立てて動画を視聴するオンデマンド型になる。指導計画には,3~4週間分の各週の学習内容とその学習をする意義や目的,課題の提出方法を記載し,生徒が学習の見通しを持てるようにした(図1)。 第3学年数学科の授業では,「①事前に生徒自身で教科書の内容をまとめてから視聴する動画」と「②普段の授業と同様に,視聴しながらノートを取り,考えをまとめてゆく動画」の2種類を作成し,ロイロノートを利用した数学の学習方法を生徒へ提示した(図2)。①の動画は,主に基本的な計算技能の定着を意図して作成した。事前に生徒自身で教科書を読み進めながら取り組むことで,あらかじめ理解が不十分なところを自覚してから動画を図1 生徒に提示した指導計画の一部図2提示したスライド動画の一部視聴させ,目的意識を持って学習が進められるようにした。②の動画は,概念的な理解や活用を伴う内容の学習を意図して作成した。普段の教室での授業とは異なり自宅での個人学習になるものの,ロイロノートの特徴を生かし,課題提示と焦点化,自力解決と解決方法の共有,振り返りを意識することにより,普段の学習に近いイメージで取り組めるようにした。1.はじめに4.おわりに3.授業の実際2.授業支援クラウドを利用した本校の数学学習1.はじめに4.おわりに3.授業の実際2.授業支援クラウドを利用した本校の数学学習1.はじめに4.おわりに3.授業の実際2.授業支援クラウドを利用した本校の数学学習4教科の視点 数学特集 コロナ禍を生きる

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