ポスターを共有することで,キャッチコピーの言葉の選択や書き方の工夫,その効果について学び合った。友達の新しい一面を知る一歩にもなっていた。オンライントークショーでは,自己紹介ポスターに書いた内容を実演する子,まだ公開していない趣味や特技を披露する子,今夢中になって取り組んでいることを紹介する子など,さまざまであった。時間制限や表現できる範囲に物理的な制限があるなかで,何を,どのような順番で話すのか,どのように表現するのかを工夫していた。 休校期間が終わり,「あの時のことを話題にして話しかけてもらえて,友達になれた。」「オンラインホームルームでお互いのことが知れたから,大丈夫だった。」と穏やかな笑顔で話してくれた子どもたちがいた。分散登校期間だからこそより気づけた自己と他者の考えの相違点 実践2『いつか,大切なところ』オンラインだからこそ意識できた他者実践1自己紹介ポスター作り×オンライントークショー ノート学習の方法は,学校の授業内で教え,続きは家庭学習で行うようにした。家庭学習にすることで十分な時間を確保でき,じっくりテクストと向き合い,自分の考えを形成できるというよさがあった。ノートには,問いについて着目した叙述や解釈,登場人物の関係性,心情の変化などについて各自が読み取った内容が,自分の書き方でまとめられている。このノートを作ることで,自分の読みが形成されていく。そのうえで交流するので,話し合いが深まっていく。同じ場面や同じ叙述でも解釈 新型コロナウイルスがいつ終息するのかわからない状況で,カリキュラムを再び改変したり,授業計画の軌道修正を図ったりしながら授業をつくっていくことは,今後も求められるであろう。冒頭に述べたように,教師自身が子どもたちのために「〇〇したい」を実現する熱意や行動力,発想の転換が,今,問われているのではないだろうか。国語科においては,不易なものの価値を見いだし,授業をつくっていくことが必要である。の違いがあることに気づき,新たな話し合いが生まれる。授業は4分割(4グループ)で行っていたが,話し合いたい「大きな問い」は共通であった。板書は子どもたちの発言から構成していくため,4通り。それを印刷して見比べる。自分たちのグループとの読みの相違点に気づき,新しい考えに気づいたり,自分の考えを再構築したりする様子が見られた。 学校に来る価値の一つは,友達と関わり合い,学び合うことである。それを子どもたち自身が実感していることが重要であり,それが,自ら主体的に学び,学びを継続できる原動力となるのである。❶ポスター作りのポイントや書き方の説明を学校Webメールで配信。❷子どもたちは自己紹介ポスターを提出。(郵送)❸自己紹介ポスターをPDF化。Microsoft Teamsの 投稿フォルダを活用して,情報共有。❹オンラインホームルームで自己紹介トークショー を開催。❺友達の発表について,身ぶり手ぶりで反応したり 感想を伝えたりする。❶問いを立てる。(学校で話し合い)(五上 p.14)❷問いに対する自分の考えをまとめる。(家庭でノート学習)❸自分の考えをもとに全体で話し合う。1.はじめに 2.「授業の土台づくり」のチャンス 3.国語科の授業で不易なもの 4.終わりに 解釈の違いAさんのノート学習Bさんのノート学習本当にそうなのかな?どうしてそう思ったの?3教科の視点 国語特集 コロナ禍を生きる
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