「小学教科通信」特別号 ウェブ版
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書写の視点教科~「どこで」「誰と」「何を用いて」「どのように」~ひらがな入門期確かな学びを届けたい江戸川区立第四葛西小学校教諭 濱田 まやはまだ 令和2年春,新型コロナの感染防止のために学校の臨時休校期間は数ヶ月にもおよんだ。児童は自宅などでの待機となり,今までどおりの授業スタイルがとれないなか,声高に叫ばれたのはICTの活用であった。オンラインの特性を生かして「授業」「学習」を補完していく試みが多くの自治体や学校でなされたが,どこでも課題は山積であったことと思われる。今回のコロナ禍は,学校における教育活動の意義やあり方をあらためて問う機会となった。 新学期の登校も難しいことがわかった4月上旬。江戸川区教育委員会から所属校の学校長に連絡が入った。「『ひらがな』を学習できる動画を公式に作りたい」とのことであった。おそらく,書写の研究に長年携わっていることで,私に企画作成への白羽の矢を立てていただいたようだった。学校長を始め,同僚の先生がたの協力への力強い賛同をいただき,本校での作成を引き受けた。 正直タイトな準備期間だった。だが,教師として,日々文字の指導をし,研究に携わっているなかで,国語科や書写のねらいに沿って児童たちに伝えたいことを,精選して台本に入れ込んだ。 また,低学年の児童が家で見る時を想像し,指導内容はもとより,動画の長さ,カメラワーク,児童が手元に紙と鉛筆を用意して書く際の語りかけのしかたなどを考慮した。学校再開へのスムーズな連携を視野に入れ,新1年生に「教室で学ぶ」「先生が説明し語りかける」雰囲気が伝わるように,普段授業をするのと同じようなスタイルをとった。 区の広報番組の企画として配信するということで,広報課の収録の担当の方々と打ち合わせがもたれ,後日所属校の教室で収録が行われた。 同じ学年を組む先生に,出演して進行を助けてもらったのだが,二人が画面に入る時は,映らない足もとにメジャーが2メートルの距離で置かれた。換気に開けたままの教室の窓から,校庭で過ごす学童保育の子どもの声が聞こえ,音声担当のスタッフのかたが苦心して調節していた。そのようななか,その日,全4本分の撮影が数時間に渡り行われた。 1日も早く,との思いからか,収録から中1日でまずは1本めがリリースとなった。企画の連絡をいただいてから,10日もたたないうちの配信であった。できあがった動画は,打ち合わせで話した教科指導のポイントを完璧に汲んでいただいていた。撮影,編集のプロの仕事に,感動と感謝を覚えた。 もちろん,全ての学年の児童の学びを守りたいという思いがあるが,特にまだ1日も「教室での学習」というものを経験しないままに休校となってしまった新小学校1年生へ,まず,全ての学習の土台,基礎・基本となる「ひらがな」の確かな学びを届けたい,という関係者の気持ちがひしと感じられた。 動画は,区の公式広報番組等で公開された。また,YouTubeでの検索や視聴が可能であったため,区内だけでなく,全国の小学校で紹介されたり,実際に視聴を休校期間中の課題として設定したりするなど活用いただき,素早く対応をした江戸川区や教育委員会への賞賛や動画の広い公開への感謝の声をいただいた。 また,「どのようにひらがなを自宅で子どもに教コロナ禍―学びを止めないために新1年生に「ひらがな」の自宅学習動画を!確かな学びを継続させるためにおうちで動画『めざせ!ひらがなマスター』オンライン学習―その推進と課題書写―実技を伴う教科での学びをどう進めるか「密」を避け,配慮をしながらの収録各校からの動画配信―児童とのつながりコロナ禍―学びを止めないために新1年生に「ひらがな」の自宅学習動画を!確かな学びを継続させるためにおうちで動画『めざせ!ひらがなマスター』オンライン学習―その推進と課題書写―実技を伴う教科での学びをどう進めるか「密」を避け,配慮をしながらの収録各校からの動画配信―児童とのつながりコロナ禍―学びを止めないために新1年生に「ひらがな」の自宅学習動画を!おうちで動画『めざせ!ひらがなマスター』「密」を避け,配慮をしながらの収録各校からの動画配信―児童とのつながりコロナ禍―学びを止めないために新1年生に「ひらがな」の自宅学習動画を!確かな学びを継続させるためにおうちで動画『めざせ!ひらがなマスター』オンライン学習―その推進と課題書写―実技を伴う教科での学びをどう進めるか「密」を避け,配慮をしながらの収録各校からの動画配信―児童とのつながり4教科の視点 書写特集 コロナ禍を生きる

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