「小学教科通信」特別号 ウェブ版
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日本国憲法第25条 1すべて国民は,健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。2国は,すべての生活部面について,社会福祉,社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。新型コロナウイルス感染症に関する政治の動き1月15日2月14日2月28日3月13日4月7日4月16日4月20日4月27日5月27日6月8日神奈川県で国内初の感染者を確認する。政府は専門家会議を発足。(文部科学省)全国の小中高校と特別支援学校の一斉休校措置について通知。(国会)新型インフルエンザ等対策特別措置法を改正。(厚生労働省)緊急経済対策に基づいて,2枚ずつの布製マスクの配布を閣議決定。緊急事態宣言の対象が全国に拡大。(内閣)第1次補正予算案を閣議決定(25兆円)。新型コロナウイルス感染症緊急経済対策として国民一律10万円給付のための総事業費12兆8,802億円を計上。(国会)第1次補正予算案を国会へ提出。4月30日,国会を通過。 (内閣)第2次補正予算案を閣議決定(31兆円)。(国会)第2次補正予算を国会へ提出。6月12日,国会を通過。 社会日本国憲法第26条1すべて国民は,法律の定めるところにより,その能力に応じて,ひとしく教育を受ける権利を有する。2すべて国民は,法律の定めるところにより,その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は,これを無償とする。の視点教科かみのゆきたか広島大学附属三原小学校 神野 幸隆新型コロナウイルスに関連させた社会科授業案(第6学年) 下記の二つの年表は,聖武天皇が大仏を建立した頃の奈良(天平)時代と現代における感染症・自然災害に関する年表です。二つを比較してみましょう。今回,国内第1例目の患者が発症し,新型コロナウイルスが病原体と特定されるまでにかかった期間は,約1週間でした。1300年前には電子顕微鏡などの機器などあるはずもなく,人々は感染症の拡大に対し,神社やお寺で祈ることしかできなかったことは容易に想像できます。聖武天皇の政治と当時の社会を調べることで,日本列島で生活をしていくため,昔も今も自然災害やウイルスなどの感染症と常に向き合い受け入れてきたこと,そして自然災害や感染症によって社会や制度がつくり変えられてきたことに気が付くのではないでしょうか。 続日本紀には,「天平7年(735)夏,大宰府管内 新型コロナウイルスの感染が拡大する中で,国民の願いは「安全な生活の保障」でした。そのために,具体的には466億円の予算で布マスクの配布が開始され,12兆円の予算を使って全国民に一律10万円が支給されました。これらは日本国憲法第25条に基づくものです。つまり,国民には生存権があるため,国家扶助によって最低限度の生活を保障するとともに,政治は公衆衛生及び社会福祉の向上を図る義務があるということです。その一方で,日本国憲法第26条には,教育を受ける権利が示されています。今回は,学校で学ぶことよりも生存権の保障を最優先にしたわけです。下記は,コロナ禍における政治の動きの一部を記した年表です。内閣がたてた補正予算案が,国会で審議されたのち通過し,関連法に則り行政が対策を実施するという政治の働きがわかります。2.歴史(奈良時代):聖武天皇と感染症・自然災害3.歴史(明治時代):お札の肖像画の人物(野口・北里・福沢・渋沢)と感染症1.政治:私たちの願いを実現する政治2.歴史(奈良時代):聖武天皇と感染症・自然災害3.歴史(明治時代):お札の肖像画の人物(野口・北里・福沢・渋沢)と感染症1.政治:私たちの願いを実現する政治山路を登りながら6教科の視点 社会特集 コロナ禍を生きる

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