「中学教科通信」2021年5月号
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動画コンテンツ制作こぼれ話 数学では,授業などで活用できる動画コンテンツを制作しています。まず絵コンテを考え,それをもとにカメラマンなどと協力し,光の反射や見える角度など細かい点に気を使いながら丁寧に撮影をしています。今回は,そんな撮影の中で私が初めて参加したときのお話をしたいと思います。 撮影する動画は,「円柱の体積は円錐の体積の3倍である」関係を,円錐の容器に入れた水を円柱の容器に3杯入れて示すというものでした。しかし,これが意外と難しかったのです。上から屈んで腕をのばす体勢ということもあり,円錐に水を入れてから円柱に移す過程で不安定さゆえ盛大にこぼれてしまうのです。なんと粘り続けTAKE10。不安げな現場の雰囲気。「これ以上はまずい…」そう思いながら挑んだTAKE11。周りが見守る中,ついに最後の一滴がこぼさず円柱に入りました。その瞬間,私の心の中で逆転満塁ホームランなみの歓声が響き渡りました。周りも安堵の表情。無事撮影を終える数学教科書 表紙制作での想いことができました。 このように制作現場では意外な奮闘をしていたりします。これらを先生が実践するのも大切ですが,私のように何度もこぼすハプニングはつきものです。しまいには生徒から「関係が成り立っていません!」と言われてしまうなんてこともあったりなかったり…。ビシッと決まるよう,どんどん動画をご活用くださいね。そして今後も役立つ動画コンテンツ作りに奮闘していきたいと考えておりますので,注目していてください!数学編集部から 教科書の表紙は,数学の要素を取り入れつつも明るく楽しいものにしたいと考えていました。そこで今回,イラストレーターの小森さんに依頼しました。小森さんのイラストの特徴である「美しい色づかい」「面で構成する立体表現」などを最大限に生かして描いていただき,これまでの数学の教科書では見たことのない明るく楽しく,そして美しい表紙を作ることができました。さて,そんな小森さんから声をいただいております!表紙を描いていただいたイラストレーター小森のぐさんの声 実を言うと,私は数学が一番の苦手教科でした。授業の前の机に教科書を出す時の憂鬱な気分は,時を経た今でも鮮明に覚えています。せめて表紙は気分をパッと明るくしてくれるものがいい。そんな当時の気持ちが教育出版の「とっつきにくさを感じさせない,明るく親しみやすい表紙にしたい」という想いと共鳴し,今回のイラストができました。 イラストは,図形やグラフなどの数学的要素を盛り込みつつ,カラフルで楽しいイメージを目指しました。表紙と裏表紙の関係性にもぜひ注目してみてくださいね。 この表紙が,数学が苦手な生徒さんの気持ちを前向きにするきっかけの一つになれれば,とても嬉しく思います。「またこぼれた~」orz!!~円柱と円錐の体積の関係を示す!~~明るく楽しく美しく~17教科書作成の現場から連載

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