現在,「持続可能な社会」が,学習指導要領において社会科に限らず多くの教科で登場し,その実現は国際社会における大きなテーマになっています。国連によって採択されたSDGs(持続可能な開発目標)における達成目標やターゲットは,それぞれ複雑な相互関係や多角的な視点を伴っており,簡単に到達できるものではありません。生徒たちには,未来の担い手として「持続可能な社会」の実現に向け,主体的・対話的に深く考え,表現することが求められています。 一方で,昨年来のコロナ禍においては,接触を伴うグループ学習が困難になっています。また,デジタル端末が一人一台整備されつつある今だからこそ,対面より効果的・効率的な新しい学習の形の創造が期待されています。 そこで今回は,新型コロナウイルスの感染拡大より前に,すでにICTを有効活用し,グループ学習に取り組んでいた実践例をご紹介します。ここで使われているのは,気軽に取り組めて簡単に使えるGoogleフォーム,スプレッドシート,スライドなどのデジタルツールです。各ツールは,生徒たちの学びを深める補助となったり,一人一人はもちろんクラス全体を的確に把握し,グループ学習を効率よく支援することを可能にしたりしてくれました。ICTを効果的に活用することで実現した,SDGsをテーマとする協働的探究学習のご報告です。 令和3年の春から新しい教科書になり,今後ますますデジタルの活用が重要視されていきます。弊社でも授業のデジタル化に伴って無料のデジタルコンテンツ『まなびリンク』を提供しております。 そんな中,数学でのシミュレーションの活用は,理解を図るためにうってつけです。図形やグラフなど,数学におけるシミュレーションの活用はさまざまな方法があるかと思いますが,先生側から示すだけではなく,一人一台端末を用いて生徒自身で試行錯誤することは,主体的に考え続けるために大切なことです。 そこで,生徒が主体的に考えるための『まなびリンク』を活用した二つの例をご紹介いたします。今後,シミュレーションを用いた授業を考え国立市立国立第一中学校教諭 古ふる田た 一かず博ひろ北海道教育大学附属釧路義務教育学校教諭 赤あか本もと 純じゅん基きSDGsを学ぶための協働的探究学習を中核としたICTの活用自ら気付き考え続けるための『まなびリンク』シミュレーションの活用活用例1課題の明確化の場面 授業内容:中学3年「三角形の角の二等分線と線分の比の定理」活用例2振り返りの場面 授業内容:中学3年「関数y=ax²のグラフの特徴」る際の一助になればと思います。ぜひご一読ください。Google JamboardによるKJ法にてお読みいただくことができます。本号の<特集>に関する国語,書写,社会,数学,理科,音楽,英語,道徳の記事につきましては,弊社ウェブサイト内の「中学教科通信 5月発行号」にてお読みいただくことができます。https://www.kyoiku-shuppan.co.jp/tsushin/index.html9デジタル時代の学びのカタチー教科の視点特集
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