(1)「あばれる三角形」(5年 合同と三角形,四角形) 「おもしろい!これを見た子どもたちも,きっと算数って楽しいなってワクワクするだろうな…」 これが,初めて『目で見る算数』を見たときの感想です。 『目で見る算数』は,算数の一斉・協働・個別学習の場面で活用できる,動画を使ったデジタル教材です。東京藝術大学大学院映像研究科教授の佐藤雅彦先生が総合監修で,NHK Eテレで放送中の「ピタゴラスイッチ」などの番組に携わっているユーフラテスの皆さんが企画・制作に関わられています。 『目で見る算数』は,子どもたちが学んでいる算数の内容を「あっと驚く切り口」で映像化しています。そして,そのおもしろい映像の中には,算数の本質がメッセージとしてしっかりと入っていて,見た人は,その本質を強いインパクトとして受け取り,実感をもって内容を理解することができます。算数を目で見てみよう!『目で見る算数』~子どもも先生もワクワクするデジタル教材~お茶の水女子大学附属小学校教諭 岡おか田だ 紘ひろ子こ 私のおすすめ映像子どもも大人もワクワクする『目で見る算数』 映像では,最初に,1つの三角形が暴れています。「え?三角形が暴れるってどういうこと?」と疑問に思ったかたもいらっしゃるかもしれません。「あばれる三角形」とは,3つの頂点の位置が決まらない三角形です。頂点がいろいろな位置に動くため,1つの三角形には決まらず,ずっと動いている三角形なのです(本当に激しく暴れています。私も,生まれて初めて暴れる三角形を見ました!)。この「あばれる三角形」を,提示された三角形と合同になるように動きを止めて,形を決めていくというのが,この映像のストーリーです。 「1つに決まらない三角形」にどのような条件を加えると,提示されていた三角形とぴったり同じ形になるのか,つまり,合同な三角形に決まるのか,その過程をアニメーションで楽しく見ることができます。 合同な三角形が決まるということから,逆に決まらないとはどういうことなのかを映像にすると,「あばれる」ということになるのですね。そして,新しい概念(ここでは合同)を理解するために,そ 形や大きさが決まっていない三角形があばれています。あばれる三角形を止めるには,どうすればいいのでしょうか?前編▲暴れている三角形10デジタル時代の学びのカタチー教科の視点 算数特集
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