コロナ禍でこれからの生活も不安定な状況が続くことが予想されます。子どもたち自身が自分の学びを継続できるようなシステムを校内で整備することも重要だと思います。 本校では,休校やオンライン授業が続くなかで,Microsoft Teamsを活用した課題の提出や自力学習を支援できる環境を整えました。 オンライン授業で俳句やショートエッセイ等の課題について説明し,Teamsで課題を提出します。 Teams上でのフィードバックは,タイムリーにコメントを返すことができますので,子どもたちのやりがいにもつながります。 投稿機能を活用すると,質問したり意見交換をしたりすることもできます。与えられたタイミングではなく,自分が必要なときに自ら探求していく姿勢を育てることにも役立つと考えています。子どもたち自身が自分の学びを探求したり継続したりできる場として授業支援システムを活用し,教師が支えていくという「もの・こと・ひと」の環境づくりが重要です。 デジタルネイティブである子どもたちは,教師よりもいち早く操作を覚え,情報をつかむことに慣れているかもしれません。慣れない情報端末を活用して新しい学びを創り出すことは容易ではありませんが,まずはやってみようという姿勢が教師に必要です。操作技術や知識を教えるといった従来型の授業ではなく,思考が活性化され議論が生まれるような学びを創っていくことが大切です。クラス全員分のおすすめの本を,手もとで一気に確認することができます。 教師は,全員の作業状況を画面で確認することが可能ですので,操作に困っている子どもを見落とさずに助言したり,参考にしてほしい書き方を効率的に全体へ共有したりすることができます。 読んだ本の感想を日常的にアップロードすることで,読書カードの代替になります。自分自身の読書歴として過去に読んだ本を振り返ることもできますし,クラス内で情報を共有することで,「私もこの本を読んでみたいな。」と新しいジャンルの本に興味をもったり,読書の幅を広げたりすることにもつながるでしょう。 本校の教師が実践した活用事例を紹介します。物語文の読みの学習で,初発の感想や問いに対する自分の考えを共有する場面で活用していました。 座席表型のシートに自分の考えを書き込んでいきます。座席表型のシートを使うことで,誰がどんな意見をもっているのかをすぐに確認しやすくなります。意見が可視化されますので,話し合いをする際に役立ちます。違う意見をもっている人にその理由を聞くなど,子どもたち自身が相手や内容を選んで質問することも可能になります。 これはあくまでも一例ですので,学習の目的や内容によって,共有する内容とタイミングは十分考慮したいところです。また,その効果は吟味する必要があります。タブレットではなく,ノートに記述した場合のほうが豊かな意見を表出できる場合も大いにあります。目的を達成するための手段として,より効果的な方法を考えて,授業を構想していくことが大切です。「自分の学び」を探求ともに学び,支える教師Microsoft Teamsを活用した課題の提出とフィードバック9デジタル時代の学びのカタチー教科の視点 国語特集
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