「中学教科通信」2021年5月号 ウェブ版
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 課題文字「進路」と自分が書いた試書をタブレット上の【ミライシード】〈オクリンク〉内Myボードに並べて分析し,課題が明確化するようにしたい。【協同探究】〇【個別探究1】で使用した試書の中から,書きぶりの似た生徒の試書を中心に,課題文字と対比する。タブレットを見ながら,クラスの生徒と相互に対話する中で,どんな課題を持つ人が多いか,各自の課題を視覚化する。(課題分析) クラス全体で課題を共有・視覚化する。 次に,学習指導要領の基本方針である「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて,協同探究を行う場面を設定しました。内容は,個別探究で行った課題発見について,クラス内で対話することで課題の共通性や差異に気づくことができました。個人からクラス全体で課題を共有し,視覚化することで深い学びへとつながる学習ができました。【個別探究2】〇視覚化された課題より,本時に解決したい課題を生徒一人一人が設定し,それぞれの課題に合わせてタブレットを適切に活用し練習し,提出BOXへ本日の試書を提出する(課題解決)。 授業の後半では,前半で視覚化しいっそう明確化された課題の中から,各自が本時に解決したい課題を設定し,個別探究する場面を設定しました。ここでは,従来からの紙面での課題文字のみならず,課題文字を書く際の実際の手の動きを見られる動画や,補助線や空間を意識してかけるよう作成したパワーポイントなどを生徒のタブレット【ミライシード】の〈オクリンク〉内Myボードへ配信することで,生徒はダウンロードをして瞬時に教材として活用することができました。また,生徒一人一人が教材を選択して,タブレットを活用して書写の練習ができるようにした結果,充実した個別探究の時間が過ごせていたと思います。また,提出BOXへ毎時間,試書を提出することで,個人内評価材料となるポートフォリオが完成し,生徒一人一人の課題へ対する取り組みや成長をたどることができました。評価材料がすぐにそろうことは,教員の評価,成績処理に関しても働き方改革に一石を投じるのではないかと思いました。 中学校の国語科書写の学習のまとめとしての「書き初め」を終え,3年間ICTを取り入れた書写の学びの集大成を見ることができました。今後も,授業のハイブリット化を目ざし,日々,タブレットを活用した授業案を考えていきたいと思います。おわりに※A~Fは生徒作例。ACBEDACBEDF5デジタル時代の学びのカタチー教科の視点 書写特集

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